1998 Fiscal Year Annual Research Report
イオントラップを用いたレーザー核分光法による不安定Beアイソトープの研究
Project/Area Number |
09440099
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
和田 道治 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50240560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 俊介 電気通信大学, レーザーセンター, 教授 (60023735)
川上 宏金 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50013412)
片山 一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30028237)
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Keywords | イオントラップ / ベリリウム-7 / レーザー冷却 / 超微細構造定数 |
Research Abstract |
イオントラップ中に閉じ込めた不安定同位体を含むベリリウムイオンをレーザー冷却し、基底準位の超微細構造の精密分光を行い、その同位体効果から核内の磁化分布、ひいてはその主な担い手である価中性子の分布を研究するための基礎開発が進んでいる。 ベリリウムの安定同位体Be-9を用いた沢験に於て、弱磁場中でのパルス測定法の成功により超微細構造定数Aの測定精度を2^*10-7まで上げることができたことに続いて、強磁場中での電子スピンフリップによるマイクロ波共鳴の観測に成功した。これは、核磁気モーメントの直接測定に必要な強磁場中での核スピンフリップの共鳴観測への重要な試金石となる。 不安定同位体Be-7の蛍光観測の実験が進められてきたが、残念ながらこれまでのところ観測に至っていない。試料の生成法から実験全般を見直して、改良を続けている。 Be-7試料の生成は、サイクロトロンビームによるTLi(p,a)TBe反応によって行われるが、金属Liフォイルを銅ワツシャをスペーサにしてインプランタである金属フォイルと多段に重ねることによって一度に10個のインプラントフォイルができるようになった。各々のフォイル中には、約3^*10^<11>個のBe-7が蓄積された。 金属フォイルからの拡散・蒸発の条件を調べるため、加熱したフォイルからのBe-7をキャッチャに集めて・順次測定する実験を繰り返し、しきい値温度(摂氏560度)および放出Be-T数(1100度で毎秒3^*10^7個)が確認できた。これまで試験してきたタンタルに加えてTi.Ptの試料も生成し、特性を調査中である。イオン化はイオントラップ内部で電子衝撃によって行う。これまでの電子源では、1μA程度しか得られなかったため、期待できるBe-7イオン数は、毎秒1個以下であり、レーザー冷却の条件が完ぺきに整合していないと観測は難しい。そこで、アウトガスなしに、パルス的に大電流の電子が得られる電子電界放出素子を用いての試験を開始した。 これらの試験に基づく実験条件の最適化によってBe-7の測定も間近と期待される。
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[Publications] K..Okada,I.Katayama M.Wada et al: "Status of the laser-microwave spectroscopy Experiment for the hyportsis Structure of ^7Be" Hypertive Interactions.
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[Publications] I.Katayama,M.Wada et al: "Cycloton Ion Guide for Energetic podisaetial Nuclear Ions" Hypertive Interactions. 115. 165-170 (1998)
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[Publications] K.Okada,M.Wada et al: "Laser-Microwave Double-Resume Spectroscopy of Laser-Grobal ^9Be^+ Ions in a Weak Magnetic Field for studying Unable Be Isotopes" Jounel of the Phys.Soc.of Japan. 67. 3073-3081 (1998)