1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440107
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 徹 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助教授 (50253050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯沼 昌隆 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 助手 (00294512)
遠藤 一太 広島大学, 大学院先端物質科学研究科, 教授 (90033894)
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Keywords | レーサー / コンプトン散乱 / X線 / 光子光子衝突型加速器 |
Research Abstract |
平成10年度の実験に関する主な成果は次の通りである。 1. 広島大学VBL超高速電子周回装置において、レーザーを電子線に照射する光学系の整備の一環として、同装置レーザーポートからの放射光を観測するための光学系を設置し、その観測に成功した。 2. 1によって電子周回装置内の周回電子線状況の観測が可能になった。これによって電子線の周回装置内における振る舞いの把握とその調整が大きく進展した。 3. レーザーを共振器内に蓄積する技術において、テスト用レーザー装置において、レーザー蓄積実験を行い、100倍程度のレーザー強度増強を達成した。 4. 超高速電子周回装置の改造を行い、より高性能のレーザー蓄積共振器の設置が可能となった。 5. 小型のテスト実験装置において、電子銃を用いたレーザーコンプトン散乱実験を行い、コンプトン散乱光の観測に成功した。またその生成量がシミュレーションによって予想されるものと一致していることを確認した。 以上の結果より、電子周回装置の電子線にレーザーを照射する準備はほぼ整っている。今後同装置における他の研究課題との実験時期の調整を行い、レーザー照射実験を開始する。実際のレーザー照射実験開始は平成11年6月から7月ころになる見こみである。 これらと平行して、本研究課題の応用のひとつである、光子光子衝突型加速器におけるレーザー電子コンプトン散乱の可能性について検討を行った。その成果のひとつは平成10年度広島大学大学院理学研究科の修士学位論文としてまとめられた。また平成11年2月10日から12日まで、光子光子衝突型加速器に関する国際研究会を開催した。
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