1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
寺内 暉 関西学院大学, 理学部, 教授 (00079667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 功 関西学院大学, 理学部, 助教授 (10212010)
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Keywords | relaxor / PIN / X-ray diffraction / dielectric permittivity / diffuse phase transition / glass phase transition / XAFS local structure |
Research Abstract |
リラクサ-の一つの特徴は従来の誘電体に比べて1桁以上大きい誘電率(約5X10^4)を示すことであり、その応用は広範囲に拡大される。例えば、コンデンサーは非常に小さくなり、ICなどに組み込みが容易になる。また、リラクサ-の基礎研究では、そのような大きな誘電率の発現機構やリラクサ-のもう一つの特徴である緩慢な相転移の起源を調べるために、多くの研究がおこなわれている。 本研究では、リラクサ-として知られているPb(In_<1/2>Nb_<1/2>)O_3(PINと略称)の単結晶を用いて、その相転移について主にX線測定によって調べた。PINはBサイトのInとNbの配列によって無秩序に並んだときにはリラクサ-特性を示すが、秩序正しく配列したときには反強誘電性を示す。まず、この2種類の特性の異なるPINの強誘電的相転移(Tc〜300K)と反強誘電的相転移(T_N〜400K)の機構を知るために、両方の試料のオーダーパラメーターとなる反射や、いくつかの超格子反射の温度変化を測定した。さらに、電子線回折で観測されているメゾスコピックな斑点がどのような起源からきているかを明らかにするために、それらの斑点の温度変化測定もおこなった。そして、PINのこれらの斑点がPb原子からきていることが分かった。さらに、リラクサ-特性を示す物質群は一般的なペロブスカイト型構造を示すものよりも過度のボリュームをもつことが指摘されている。そのため、圧力効果の測定をおこなった。圧力の印加によって、リラクサ-特性を示す構造から反強誘電的な構造への変化が見られ、圧力印加に伴って、リラクサ-相が抑制され、反強誘電相の領域が広がることが分かった。現在は電場を印加することで、PINの相転移についてより詳細に調べている。 今後は、(1-X)Pb(Mg_<1/3>Nb_<2/3>)O_3-X(PbTiO_3)やPb(Zr_<1/3>Nb_<2/3>)O_3などのリラクサ-特性を示すいくつかの試料をとりあげ、それらとPINの比較をおこなう予定である。
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[Publications] K.Nomura et al.: "X-Ray Study of Transitions in PbIn_<1/2>Nb_<1/2>O_3" J.Phys.Soc.Jpn.66. 1856-1859 (1997)
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[Publications] N.Yasuda et al.: "Pressure-Induced Dielectric Change from Relaxor to Antiferroelectric Behavior in Disordered Pb(In_<1/2>Nb_<1/2>)O_3" J.Phys.Soc.Jpn.66. 1920-1923 (1997)
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[Publications] K.Yagi et al.: "X-Ray Diffraction Study of KBr_<1-x>(NO_2)_x Mixed Crystal" J.Phys.Soc.Jpn.66. 291-293 (1997)
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[Publications] T.Nagata et al.: "Measurement of Nonlinear Dielectric Constant in Rb_<1-x>(NH_4)_xH_2PO_4 Mixed Crystals" J.Phys.Soc.Jpn.66. 1503-1507 (1997)
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[Publications] V.Shuvaeva et al.: "Polarized XAFS Study of KNbO_3 Local Structure" J.Phys.Soc.Jpn.66. 1351-1355 (1997)
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[Publications] K.Yagi et al.: "EXAFS Study on the Glassy State of K_<1-x>(NH_4)_xI Mixed Crystals" J.Phys.IV France. 7. 1163-1164 (1997)