1997 Fiscal Year Annual Research Report
抑制御された多孔質中He薄膜の2次元及び3次元超流動性の研究
Project/Area Number |
09440132
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保田 実 東京大学, 物性研究所, 助教授 (60192035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZALALUTDINOV M 東京大学, 物性研究所, 外国人研究員
KOVACIK V 東京大学, 物性研究所, 外国人研究員
柄木 良友 東京大学, 物性研究所, 助手 (30186027)
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Keywords | 量子渦科学の基礎研究 / 理想2次元薄膜超流動 / 2次元性・3次元性をもつ超流動 / 転移温度可変 / 回転超流動 / 臨界速度 / 量子渦状態 |
Research Abstract |
1.本研究は「良く制御された多孔質中He薄膜の2次元及び3次元超流動性」をこれまでの捻り振り子による研究をさらに高精密度化するとともに、他の可能な測定手段を開発駆使して、静止状態、並びに回転での実験研究から、解明しようとするものである。 2.科研費補助金の第一年度である本年度は「有効熱伝導率法」によって、多孔質ガラス中に生成した単原子膜近傍の膜厚のHe超流動薄膜の「超流動流速と微少温度差」の測定からこの系の超流動の2次元性と3次元性性質の研究が進展した。即ち、両者の違いに起因すると思われる △T:dQ・dt 関係から、異なる流動状態の出現が示唆された。T ≪ T_c で3次元系に特徴的な臨界速度が確認された。 一方、回転場下での捻り振り子実験による研究では、測定の高精密化を実現しつつあり、様々な新事実が見出され始めている。超流動密度が出現し始める温度をT_cとすると、これより低温側に別な特徴的温度が存在して、これ以下で3次元的渦委とが生成していることを示唆する実験事実が見出された。引き続き、2次元渦状態、3次元渦状態の量子渦動力学的考察から、解明を進めている。 4.現在進行中の研究につき、物理学会、等で口頭発表(シンポジウム講演、通常講演)以外に、研究論文の投稿準備中である
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