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1999 Fiscal Year Annual Research Report

臨界点近傍における流体水銀の濡れ現象

Research Project

Project/Area Number 09440135
Research InstitutionKYOTO UNIVERSITY

Principal Investigator

八尾 誠  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70182293)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大政 義典  京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30301229)
Keywords水銀-サファイア界面 / 濡れ / 臨界点 / 前駆濡れ転移 / 光反射率 / 偏光解析 / 熱輻射強度 / 臨界揺らぎ
Research Abstract

ガラス板上に水銀をのせると球形の液滴になる。この現象は、水銀がガラスなどセラミクスに濡れないことを端的に示すものである。ところが、液体―気体臨界点近傍では水銀がサファイアに濡れることが、我々の実験から判明した。しかも、この濡れ現象はprewetting transition(前駆濡れ転移)と呼ばれる一次相転移として起こり、濡れ転移固有の臨界点がバルク水銀の臨界点より低温・低圧の1468℃・159MPaにあることが明らかになった。
本研究では、上記の研究を更に発展させることに努めた。具体的にはまず、高温高圧の極端条件下でも適用可能な偏光解析の実験技術を開発し、これを用いた反射率測定結果から、濡れ転移の秩序変数である被覆度Γなど、濡れに関わる主要な物理量を定量的に得ることに成功した。この成果に基づき、二次元液体としての濡れ層の性質を調べることが可能になり、濡れ層が半導体的な性質を有することを結論した。この結果は、「何故水銀がサファイアに濡れるのか」を考える上でも重要な情報である。さらに我々は、試料からの熱輻射強度測定が濡れ現象を調べる有力な手段であること見出し、特に、前駆濡れ転移の超臨界相では、臨界揺らぎのため二次元の圧縮率である(∂Γ/∂μ)_Tが極大になると予測されていた領域で、熱輻射強度が非常に小さくなることを見出した。但し、ここでμは化学ポテンシャルである。
以上のように、本研究では濡れ現象に関わる平均量とその揺らぎの双方について実験的に高精度で調べる方法を開拓した。この手法は、我々が取り扱った水銀とサファイアの系以外にも直ちに適用することができる。本研究の成果は、濡れ現象の専門家が一堂に会したトリエステでの国際シンポジウムで招待講演として報告された。また、本研究の代表者は日本物理学会において初めて、「濡れ現象」に関わるシンポジウムを企画した。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] 大政義典: "Wetting Phenomena at Mercury-Sapphire Interface under High Temperature and Pressure"J. Non-Cryst. Solids. 250-252. 209-213 (1999)

  • [Publications] 大政義典: "Wetting Phenomena of Mercury on Sapphire Studied by Optical Emissivity Measurement"J. Phys. Condens. Matter. 12. A375-A381 (2000)

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

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