1997 Fiscal Year Annual Research Report
極低温強磁場下における低密度,相関電子系のマイクロ波吸収
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09440141
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
豊田 直樹 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (50124607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 裕一 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (80275289)
井上 直久 大阪府立大学, 先端科学研究所, 教授 (60275287)
落合 明 新潟大学, 工学部, 助教授 (90183772)
松井 広志 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助手 (30275292)
ANDREI Lebed 大阪府立大学, 先端科学研究所, 助教授 (10281990)
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Keywords | 強相関電子系 / サイクロトロン共鳴 / マイクロ波吸収 / 重い電子系 / 有機伝導体 |
Research Abstract |
本年度はマイクロ波測定系の立ち上げに重点を置いた。12テスラおよびテスラの磁場下、温度はヘリウム3冷凍機により0.5Kまで共振器と試料を冷却できる装置を完成した。クライオ系は周波数帯域ごとにつくり、現在16-200GHz帯の測定が可能である。本年度行った研究は、(1)第一種および第2種半導体超格子、(2)少数キャリアー密度を有する重い電子電子系Yb4As3である。(1)に関しては、InGaAs/InAlAs,InP/InAlAs系の量子振動効果をマイクロ波吸収測定で観測し、ヘテロ界面に閉じ込められた2次元電子状態、サイクロトロン質量、緩和時間を求めた。一方、(2)に関しては、キャビティ摂動法と透過法により測定し、電子スピン共鳴とサイクロトロン共鳴の双方を観測した。周波数依存性と温度依存性からこれら二つの共鳴を同定し、サイクロトロン質量が自由電子質量の0.72倍であること、g値が2.04となることを明らかにした。播磨によるバンド計算(LAPW法)と比較し、この質量をもつキャリアはAsの4pホールによる可能性が高いことを示した。この結果、これまで重い電子系と考えられていたこの物質は、111方向の1次元ハイゼンベルグ鎖のスピン励起を見出した中性子非弾性散乱の結果と相補的で、フェルミ準位近傍の電子状態は半金属的であることを主張した。従って、5d電子のサイクロトロン共鳴を実験的に検証することが、今後に残された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Matsui et al.: "Transport Properties in InP/InAlAs Type II Single Heterostructure" Jpn.J.Appl.Phys.36. 1085-1088 (1997)
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[Publications] H.Matsui et al.: "Magnetic Quantum Oscillations in In_<0.53> ga_<0.47> As/In_<0.52> Al_<0.48> As Multiquautum Well clserued by Millimeter Wave Response" Jpn.J.Appl.Phys.36. 1287-1290 (1997)
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[Publications] H.Matsui et al.: "Cyclotron Resonance in Extremely Low Carrier-Density System of Yb_4As_3" J.Phys.Soc.Jpn.66・12. 3729-3732 (1997)