1998 Fiscal Year Annual Research Report
極低温強磁場下における低密度,相関電子系のマイクロ波吸収
Project/Area Number |
09440141
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
豊田 直樹 東北大学, 理学研究科, 教授 (50124607)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 広志 東北大学, 理学研究科, 助手 (30275292)
|
Keywords | 低密度磁性金属 / 強相関電子系 / マイクロ波吸収 / 表面インピーダンス / 超伝導体 |
Research Abstract |
本研究では、低密度・相関電子系である、(1)準2次元有機伝導体(BEDT-TTF)系および(BEDT-TSF)系、(2)半導体超格子の界面2次元電子系、(3)低密度キャリアーを有する重い電子系(希土類モノプニクタイトなど)のマイクロ波測定を行った。実験条件は、室温から0.5Kまで、磁場は10Tまでの範囲で、またマイクロ波周波数は10-200GHzである。成果は以下の通りである。 1. 希土類化合物超伝導体CeRu2のゼロ磁場下表面インピーダンスの測定を行い、複素伝導率の温度依存性を詳しく調べた。転移温度直下でのコヒーレンスピーク、および磁場侵入長の温度依存性から、S波対称性を有するBCS超伝導体であることを検証した。 2. 低密度磁性金属Yb4As3のサイクロトロン共鳴と電子スピン共鳴を観測し、共鳴磁場からホールキャリアの有効質量(約0.7m0)と求まり、バンド計算と矛盾がないことを確かめた。 3. α-(BEDT-TTF)2NX4Hg(SCN)4(X=H,D)のサイクロトロン共鳴を観測し、重水素化によるπ電子の有効質量に変化がないことを確かめ、また SdH、dHvA効果から得られる質量よりも小さく、コーンの定理とは矛盾していないことを検証した。 4. その他、これらのマイクロ波測定と関連して、重水素核磁気共鳴、音響dHvA効果、等の実験を行った。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] H.Matsui et al.: "Electrodynamics of the Superconducting state in CeRu_2" J.Phys.Soc.Jpn.Vol.67 No.10. 3580-3584 (1998)
-
[Publications] H.Matsui et al.: "Microwave studies of low carrier state in Yb_4As_3" Physica B. Vol.246-247. 460-463 (1998)
-
[Publications] H.Matsui et al.: "Cyclotron resonance in α-(h_8 or d_8-ET)_2NX_4Hg(SCN)_4(X=H,D)" Synth.Met.(in press). (1999)
-
[Publications] S.Endo et al.: "^2D NMR in α-(h_8-BEDT-TTF)_2ND_4Hg(SCN)_4" Phys.Rev.B. Vol.57 No.22. 14422-14427 (1998)
-
[Publications] H.Matsui et al.: "Acoustic de Haas-van Alphen effect in Organic Superconductor α-(BEDT-TTF)_2NH_4Hg(SCN)_4" J.Phys.Soc.Jpn.Vol.67 No.8. 2586-2589 (1998)
-
[Publications] H.Matsui et al.: "Elastic anomalies and acoustic de Haas-van Alphen effects in Sr_2RuO_4" J.Phys.Soc.Jpn.Vol.67 No.11. 3687-3690 (1998)