1997 Fiscal Year Annual Research Report
マイケルソン干渉計を用いたフェムト秒パルスの非線形伝搬の研究
Project/Area Number |
09440149
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中塚 宏樹 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10111915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 利明 筑波大学, 物理工学系, 講師 (60202256)
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Keywords | マイケルソン干渉計 / 非線形パルス伝搬 / 非線形光学 / 自己相関関数 / 相互相関関数 / フーリエ分光 / 自由誘導減衰 / フォトンエコー |
Research Abstract |
フェムト秒パルスを用いた原子や分子等のミクロなダイナミックスの観測は近年さらに一歩進んで、それらミクロな系の波動関数の操作や新たな化学反応の制御法の研究へと進みつつある。そこでは入射光パルスの波長や強度のみならず、位相がきわめて重要であり、例えば振幅が同じパルスでも位相が異なると、物質に対する波動関数操作への効果は全く異なったものとなる。光パルスは波動でありながら、通常の分光学的実験ではそのパルスエネルギーやスペクトルあるいはパルスの強度波形などが測定されるのみで、10^<14>Hzから10^<15>Hzの高速で振動する波動としての時間波形を位相を含めて測定することはほとんど行われていない。我々は、入射光や透過光電場の自己相関関数のみでなく、入射光電場と試料からの透過光電場の間の相互相関関数をも計測することができる可視光領域の白色光マイケルソン干渉計を独自に作製し、光の線形伝搬領域における波形変形を位相情報をも含めて測定した。その結果、自由誘導減衰信号波と入射光が180度位相がずれた光波であること、位相の等しい2パルス励起と位相が互いに反転した2パルス励起の試料に対する効果が著しく異なることなどを実験的に観測した。 さらに、我々は非線形領域における予備的実験として、パルス幅14fsのcwモード同期Ti:サファイアレーザーを励起光とするフォトンエコーの位相情報をも含む測定を行い、励起光パルスとエコーパルス両者の光振動波形の観測にも成功した。
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Research Products
(1 results)