1997 Fiscal Year Annual Research Report
冷却気体原子を用いた量子光学(自然発光の抑制、量子セゾン効果、ボ-ス凝縮)
Project/Area Number |
09440150
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久我 隆弘 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60195419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 琢也 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00251330)
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Keywords | 冷却原子 / 量子光学 / レーザー冷却 / ボ-ズ凝縮 / 量子セゾン効果 / 共振器量子電気力学 |
Research Abstract |
今年は、新しい技法によるボ-スアインシュタイン凝縮(BEC)の実現に向けた実験を行った。 95年にアメリカで実現されたBECハ、レーザーによる予備冷却の後、磁気トラップに移行し蒸発冷却により原子の位相空間密度を上昇させる。したがい磁場の残る場所に原子は捕獲されるため高精度の分光には不向きであり、またコイルを動かすわけには行かないので、冷却原子を自由に操作することはできない。 我々はすべて光を用いたとラップによるBECの可能性を探索し、今回、画期的な方法を開発することができた。それは、断面がド-ナツ状のレーザー光を用い、中央の光電場の一番小さいところに原子をトラップする方法である。この方法は、従来の磁場を用いたとラップに比べ、装置が簡便なこと、トラップされた原子はレーザーを操作することにより自由自在に操れること、外場がゼロのとことに原子をため込むことができるため物理の基本原理を検証する実験などに応用できることなど、大きな優れた特徴を持っている。この方法により、現在のところ寿命1.5sec程度の原子の閉じこめに成功しており、真空度をさらにあげることで分オーダーの閉じこめをめざしている。また、この光トラップと偏光冷却の共存も確認している。これは、ド-ナツを小さくしていくこと(断熱圧縮)で高密度を図るとき、偏光冷却で原子の温度上昇を防ぐことができるということを意味している。すなわち、ボ-ズ凝縮のクライテリオンである温度〜1μK、密度〜10^<15>/cm^3という条件が十分達成可能であるということを示している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Tsukamoto 他5名: "Synchronizationof alazer system to a modulation signal artificially constructed from its strange atlractor." Phys.Rev.E56. E56(6). 6564-6568 (1997)
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[Publications] G.Shinozaki 他4名: "3dB Wideband squeezing in photon number fluctrations from a light emitting doode." Jpn.J.Appls Phys.36. 6350-6352 (1997)
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[Publications] t.Kuga 他5名: "Novel opeicul trap of atoms with a doughuut beam" Phys.Rev.Lett.78(25). 4713-4716 (1997)