1998 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導重力計南北両半球ネットワークによる地球深部ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
09440158
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹本 修三 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40027256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 靖明 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40025466)
東 敏博 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90135517)
藤森 邦夫 京都大学, 大学院・理学研究科, 講師 (00025470)
福田 洋一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30133854)
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Keywords | 重力計 / 超伝導重力計 / 重力の時間的変化 / コア・アンダートーン / 流体核 / 地球深部 / 地球深部ダイナミックス / 極運動 |
Research Abstract |
マイスナー効果を応用した超伝導重力計は、重力の時間的変化を求める高精度・高分解能の相対重力計であり、従来からのスプリング型の重力計に比べて2〜3桁感度が高く、10^<-12>(ngal)の感度と、ドリフトはわずかに数μgal/年という優れた特性を有する。この型の重力計の出現により、コア・アンダートーンなどの地球深部に起源をもつ微弱な信号を検出できると期待されるようになった。 わが国では、これまで、江刺、松代、京都、阿蘇の国内4カ所と南極昭和基地において超伝導重力計による連続観測を実施してきたが、1997年1月には新たな超伝導重力計をキャンベラ(オーストラリア)に設置し、1997年12月には京都大学が保有する2基のうちの1基をバンドン(インドネシア)に移設した。その結果、江刺、松代、京都、阿蘇、バンドン、キャンベラおよび昭和基地の7カ所を結ぶ北緯39゚から南緯69°に至る南北両半球超伝導重力計ネットワークを構築することができた。平成10年度もこれらの観測点における観測の維持を続けた。 1999年1月には、京都で本研究の研究打ち合わせ集会を実施し、微弱な重力変化を少しでも明瞭にとらえるためのフィルター特性の改良や観測点固有の問題点などの検討を行った。その結果に基づいて、超伝導重力計ネットワークのデータ収録システムの標準化をさらにすすめずことができた。流体核に起因するきわめて微弱な信号は核の扁平率に強く依存していると考えられることから、このネットワークの構築は、地球深部ダイナミックスの今後の研究発展におおいに貢献するものと期待できる。
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[Publications] 竹本 修三: "超伝導重力計を用いた京都における重力の時間的変化の精密観測(1988〜1997)" 京都大学防災研究所年報. 第41号B-1. 77-85 (1998)
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[Publications] S.Takemoto: "Precise Gravity Observation in Bandung Using a Superconducting Gravimeter" Proc.of the Symposium on Japan-Indonesia IDNDR Projects. 223-230 (1999)