1998 Fiscal Year Annual Research Report
プレートの断裂と高角度沈み込み域のテクトニスに関する研究
Project/Area Number |
09440161
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
角田 寿喜 鹿児島大学, 理学部, 教授 (40041222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木原 寛 鹿児島大学, 理学部, 助手 (60295235)
宮町 宏樹 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (30182041)
後藤 和彦 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (20244220)
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Keywords | 1997年鹿児島県北西部地震 / 臨時地震観測 / 海底地震観測 / 内陸地震列 / プレート断裂 / トカラ海峡 / 奄美大島 |
Research Abstract |
1997年鹿児島県北西部地震のNNE-SSW走向の余震列において,1997年12月以降の活動活発化に伴い,1998年3月中旬から9月初めまでの約5ヶ月半にわたる余震観測を実施した。大局的に見た活動の特徴に大きな変化はなかったが,活動は群発傾向を強め,NNE-SSW走向の列上では,深さ方向に震源分布の若干の広がりが見られた。余震列の西方への延長にあたる九州西方沖には,依然として活発な地震活動が続いており,九州南部を東西に横断する地震列の存在は疑いないものとなった。次年度は,西方沖の活動を精度よく把握するため,海底地震観測を計画している。反射波の解析は,まだ不十分であるが,18〜19kmの下部地殻からと考えられる反射波が顕著である。 北大理・東北大理・東大地震研究所・九大理との共同研究として,4月末から6月末まで,トカラ海峡直下のプレート断裂域を中心に海底地震観測を実施した。海峡に沿って点在する震源の浅い地震の活動集中域は認められたが,従来言われているような海峡を挟む北側と南側での稍深発地震面の傾斜角の違いは認められなかった。海底地震計が主としてトカラ海峡の南側の領域に展開され,北側領域のプレートが傾斜角を大きく変える部分の震源決定精度が十分でなかったことにも原因があると考えられ,再度の調査が必要である。 1995年奄美大島近海地震(M6.7,6.6)以来,奄美大島付近に活発な地震活動が続いており,昨年12月から奄美大島において5点の臨時観測点を設置し,観測を開始した。観測網は狭いが,周辺の気象庁の観測点を合せると震源決定精度が向上することは確実であり,奄美大島直下域の地震発生層の上限-下限をおさえるとともに,南側と北側に推定されているプレート断裂と地震活動の関係がある程度把握できると思われる。
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