1998 Fiscal Year Annual Research Report
梅雨前線と台風の相互作用と対流の組織化に関する研究
Project/Area Number |
09440167
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山岬 正紀 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40242101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪木 和久 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助教授 (90222140)
中村 晃三 東京大学, 海洋研究所, 助手 (20143547)
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Keywords | 梅雨前線 / 対流の組織化 / メソ降水系 / パラメタリゼーション |
Research Abstract |
積雲対流スケールの効果をパラメタライズしメンスケール対流を陽に解像する静力学モデルを用いて、梅雨前線とそれに伴うメソβスケールの降水系のメカニズムを理解するための数値実験を3重格子モデル(細格子域の格子間隔5km)を用いて行った。とくに、温度と水蒸気に南北傾度がある場合のメソβスケールの対流群の3次元的な特徴や振舞い、南北傾度や風の鉛直シアの効果について調べた。非静力学モデルを用いた狭い領域に対する数値実験も行った。これらの数値実験からの知見に基づいて、積雲対流スケールのパラメタリゼーションとして新たなモデルを開発した。また、梅雨前線がどのような条件の下で形成されるのかを調べるために、地球表面の温度分布を変えて数値実験を行っているが、長時間積分が必要で計算時間がかかるため、まだまとまった結果は得られていない。 実際の梅雨前線の事例については、1993年7月16-17日に梅雨前線に伴って連続的に発達したクラウドクラスターについて、気象庁の日本域スペクトルモデルに対流のパラメタリゼーションとして4つのモデルを組み込んで,比較実験を行った。総観規模の特徴はどのモデルもよくシミュレートできたが、メソスケールの降水系はパラメタリゼーションに強く依存する結果が得られた。対流調節、クオ、フリッチと比較して荒川・シューバートのパラメタリゼーションが最もよい結果を与えることがわかった。 台風と梅雨前線の相互作用については、1998年8月と9月に前線に伴った大雨の事例について、気象庁の客観解析データを用いて前線(降水)に対する台風の効果を調べる数値実験に着手している。
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Research Products
(1 results)