1997 Fiscal Year Annual Research Report
島弧および大陸下部地殻における変性作用の精密解析としスタイトの形成過程
Project/Area Number |
09440176
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小山内 康人 岡山大学, 教育学部, 助教授 (80183771)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川嵜 智佑 愛媛大学, 理学部, 教授 (50136363)
草地 功 岡山大学, 教育学部, 教授 (10032773)
|
Keywords | High-T netrinorphic rock / Partial Melting / Granite magma / Restite / F-brotite / Sapphirine granatite / Hidaka metamorphic belt / Higo metamorphise ternane |
Research Abstract |
本研究計画では日高および肥後変成帯等の国内における最高温変成岩分布地域やスリランカ等の超高温変成岩分布地域で,変成作用および地殻溶融プロセスとレスタイト形成過程との関連について,野外産状,鉱物反応の精密解析,および高温・高圧実験をもとに詳細な解析を行い,真の下部地殻における部分溶融過程の全貌を明らかにすることを目的として研究を行っている.これには,本研究費によるEDS付走査型電子顕微鏡を駆使した. 1.年度当初は熊本県中部地域の肥後変成帯について,これまで得られたデータをもとに,さらに詳細かつ精密な野外調査を実施した.ここでは部分溶融過程を顕著にしめす試料(部分溶融メルトと母岩)およびレスタイト(サフィリングラニュライト,ザクロ石-コランダムグラニュライト,斜法輝石-スピネルグラニュライト等)を中心に採取し,関連する火成岩類(特に斜方輝石ト-ナル岩)および変成岩類の試料採取も行った.これには調査・研究旅費を使用し,成果の一部は地質学会大会,地質学会西日本支部等で発表し,国際誌を含む学術雑誌に掲載された. 2.日高変成帯の野外調査は,変成岩類の分布が卓越する,中部地域を中心に調査し,部分溶融により形成された過アルミナ質ト-ナル岩中の包有岩石(塩基性グラニュライト)の精密な記載を行った.また,下部地殻における溶融・流動部分を明らかにするために,部分溶融変成岩類分布図を作成中である.これには調査・研究旅費を使用した.また,成果の一部は学術誌に公表した. 3.得られた最適試料および既存の試料について,変成履歴の精密解析と鉱物化学的解析を実施した.これには本研究費により設置されたEDS付走査型電子顕微鏡を駆使し,局所領域における相平衡論を考慮しながら微細な包有鉱物を追跡した.これには設備備品費と消耗品費を充当した.成果は日本地質学会および国際誌等で発表予定である.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 小山内泰人他: "日高変成帯における地殻溶融と酸性マグマの形成" 地質学論集. 47. 29-42 (1997)
-
[Publications] Owada,M.et al.: "Rb-Sr 250chron ages for hornblende tonalite from the" Memoir Geol.Soc.Japan. 47. 21-27 (1997)
-
[Publications] 小山内泰人他: "肥後変成帯の地殻深部レスタイト" 月刊地球. 19. 97-103 (1997)
-
[Publications] Takahashi,Y.et al.: "Relationship between seological occurrences and" Bull.Geol.Surv.Japan. 48. 305-312 (1997)
-
[Publications] 亀井淳志他: "肥後変成帯,白石野花崗閃緑岩のRb-SrおよびSm-Nd" 岩鉱. 91. 316-326 (1997)
-
[Publications] Osanai,Y.et al.: "Sapphirine-bearing granulites and related high-T" Jour-Metamorphic Geol.16. 1-15 (1998)