1998 Fiscal Year Annual Research Report
マントル中の希ガス及び揮発性元素と地球進化に関する研究
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09440182
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
兼岡 一郎 東京大学, 地震研究所, 教授 (30011745)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 弥生 東京大学, 地震研究所, 助手 (90282730)
瀧上 豊 関東学園大学, 法学部, 助教授 (40206909)
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| Keywords | マントル / 希ガス同位体比 / 揮発性元素 / 地球進化 / 中央海嶺玄武岩(MORB) / 急冷ガラス / インド洋 / 熱水活動 |
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| Research Abstract |
マントル中における希ガスや揮発性元素の状態を明らかにして地球進化との関連を探るためには、試料として用いる岩石や鉱物などに含まれているこれらの元素などが、地表に噴出する前後ないしその後の二次的な影響を受けていない試料を用いることがきわめて重要である。そのためには用いる試料の選択基準などが確立していることが不可欠であるが、従来はMORB(中央海嶺玄武岩)の急冷ガラスなどに対しても必ずしも十分な吟味がなされてきていない。試料の選択基準を確立するため、MORBの急冷ガラス部分の組織状態と希ガス同位体比の関係を調べた結果、急冷ガラス表層部や顕微鏡下で微斑晶が少しでも析出しているような部分では、大気・海水などの希ガス成分の影響が見られた。これらの観察結果を基に、二次的な影響をほとんど受けていない急冷ガラス試料を選択するには、実体鏡下でもほぼ完全な均質性を示すガラス部分を選べばよいことを明らかにした。この選択基準を適用して、インド洋・ロドリゲス三重点付近の海嶺軸沿いから採取されたMORBの急冷ガラスの希ガス同位体比測定を行った結果、ほぼ噴出以前にマグマが有している希ガス同位体比を明らかにすることができた。その結果、He、Ne、Xeなどの同位体比については、これまでに他の地域から推定されていると同様の端成分をもつとしてよいが、Ar同位体比に関してはセグメント毎に異なった値を示し、海嶺下での熱水活動などにより数十km程度にもわたってその値を均質化している過程の存在が示唆された。このような情報は、厳密な試料の選択によって初めて再現性のある結果が得られたものであり、地球深部の情報を得るために試料選択の重要性を実証した。
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[Publications] Hanyu, T.and Kaneoka, I.: "Open system behaviour of helium in case the HIMU source area" Geophysical Research Letters. 25(5). 687-690 (1998)
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[Publications] Kaneoka, I.: "Xenon's inside story" Science. 280(5365). 851-852 (1998)
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[Publications] Kaneoka, I.: "Noble gas signatures in the Earth's interior-coupled or decoupled hehaviour among each isotoges systematics and problems" Chemical Geology. 147(1/2). 61-76 (1998)
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[Publications] Kumagai, H.and Kaneoka, I.: "Variations of noble gas abundances and isotope rations in a single MORB pillow" Geophysical Research Letters. 25(20). 3891-3894 (1998)
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[Publications] 兼岡一郎: "K-Ar法およびAr-Ar法による年代測定の現状と問題点" フィッション・トラックニュースレター. 11. 13-16 (1998)
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[Publications] Hanyu, T., Kaneoka,I. and Nagao, K.: "Noble gas study of HIMU and EM ocean island basalts in the polynesian region" Geochimica et Cosmochimica Acta. 63(in press). (1999)
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[Publications] 兼岡一郎: "年代測定概論" 東京大学出版会, 315 (1998)
