1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440184
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00253295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木暮 敏博 東京大学, 大学院・理学系研究所, 助手 (50282728)
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Keywords | 層状ケイ酸塩鉱物 / 電子顕微鏡 / 風化 / 溶解 |
Research Abstract |
層状ケイ酸塩鉱物の変質は鉱物-水-大気反応における元素の再分配に大きな影響を及ぼしている。層状ケイ酸塩鉱物-水反応では他のケイ酸塩鉱物の反応と異なり、調和溶解をせず、まづ、異なる種類の層状ケイ酸塩鉱物に変質する可能性がある。代表的な層状ケイ酸塩鉱物である黒雲母、緑泥石、白雲母と水との反応を、高分解能透過電子顕微鏡を使用し、その反応機構を原子レベルで明らかにし、鉱物と水との元素の分配の素過程を解明することを目的とする。 本年度は(1)未反応の黒雲母、緑泥石の原子像を明らかにするとともに(2)天然の風化した黒雲母、緑泥石の原子像を撮影し、(3)黒雲母の室内溶解実験を行った。未反応の黒雲母、緑泥石の原子像か、Kなどの層間イオンの変化を観察するには【100】方向からの電子線の入射、八面体層及び四面体層のイオンの変化には【010】入射がよいことがわかった。風化した黒雲母、緑泥石ではそれぞれ層間のKの損失、水酸化物の水和化により、バ-ミキュライト化していることがわかった。これは従来考えられているSiやAlの溶出による鉱物の溶解の進行という説と異なる。黒雲母の室内溶解実験では溶液の分析結果、予備的ではあるが、SiやAlの溶出による鉱物の溶解の進行という説と一致した。今後この試料を用いて、高分解能透過電子顕微鏡観察を行い、天然の結果と比較する。
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[Publications] 村上隆: "鉱物の化学的風化-鉱物・水・大気相互作用の意義" 化学と教育. 46. 6-10 (1998)
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[Publications] Banfield,J.F., Murakami,T: "Atomic-resolution transmission electron microscope evidence for the mechanism by which chlorite weathers to 1:1 semi-regular C-V" American Mineralogist. 83. in press (1998)
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[Publications] Kogure,T., Murakami,T.: "Structure and formation mechanism of low-angle grain boundaries in chlorite" American Mineralogist. 83. in press (1998)
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[Publications] T.Kogure: "On the structure of cleaved surface in biotite" Mineral.Jour.19. 155-164 (1997)
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[Publications] Murakami,T.et al.: "Mobility of uranium during weathering" American Mineralogist. 82. 888-899 (1997)
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[Publications] Sato,T., Murakami,T., et al.: "Iron nodules scavenging uranium from groundwater" Enviromental Science and Technology. 31. 2854-2858 (1997)