1997 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコン年代の大量迅速分析による大陸成長速度の推定
Project/Area Number |
09440185
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 茂徳 東京工業大学, 理学部, 教授 (50111737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 岳史 東京工業大学, 理学部, 助手 (10251612)
磯崎 行雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90144914)
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Keywords | ジルコン / スポット年代 / カソードルミニッセンス / 川砂 / 大陸成長速度 / 分離システム / 迅速分析 / レーザーICP-MS |
Research Abstract |
本年度は、本研究を進めるうえで重要な、試料処理能力の向上とカソードルミネッセンス法の開発を行った。 a)試料処理能力の向上 現在東工大では、固体地球試料からジルコンを抽出する作業をルーチンで行っている。しかし、このシステムでは、取り扱える試料量が少なく、ジルコン存在量が低い試料については取り扱いが困難であった。そこで、本年度では、ジルコン分離システムに高速大容量試料粉砕システムを応用し、一度に処理できる試料量を100倍程度にまで引き上げることに成功した。ここでは、岩石試料粉砕時にロータリーハンマーミル方式を用いているため、ジルコン結晶にダメ-ジを加えることなく試料を破砕することが可能となった。このシステムの採用により、大量の試料を迅速に処理することが可能となり、その結果、ジルコン結晶存在度が1/(10)〜1/(50)程度まで低い試料についても、ジルコン回収率を低下させることなく、ルーチンで処理することが可能となった。 b)カソードルミネッセンス法の開発 ジルコン結晶のカソードルミネッセンス像は、得られた年代データの信頼性を評価する上で重要である。本年度では、ジルコン結晶から正確なカソードルミネッセンス像を得るために、様々なジルコン結晶について分析を行い、化学組成依存性、結晶構造依存性などについて検討を加えた。その結果、カソードルミネッセンス発光現象が、化学組成依存性を強く持つことがわかり、ある種のジルコン結晶では、発光強度が著しく弱いことがわかった。こうしたジルコン結晶については、ラマン分光法が同じ目的で使用できることが分かった。今後、実試料について基礎データの取得を続ける予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Okamoto,K. and Maruyama,S.: "Multi-anvil re-equilibration experiments of the Dabie UHP eclogite in China at diamond-stability fields." The Island Arc. (in press). (1998)
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[Publications] Terabayashi,M. and Maruyama,S.: "Large pressure-gap between the Coastal and Central Franciscan belts,northem and central California." Tectonophysics. (in press). (1998)
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[Publications] Tabata,H, Maruyama,S. and Shi,Z.: "Metamorphic zoning and thermobaric structure of the Dabie UHP-HP terrane,central China." The Island Arc. (in press). (1998)
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[Publications] Takafumi Hirata: "Isotopic Variations of Germanium for Iron and Stony Iron Meteorites" Geochim.Cosmochim.Acta. 61. 4439-4438 (1997)
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[Publications] Takafumi Hirata: "Soft Ablation Technique for Laser Ablation-Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry" J.Anal.Atom.Spectrom. 12. 1337-1342 (1997)
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[Publications] Maruyama,S. and Liou,J.G.: "Initiation of UHP metamorphism and its significance on the Proterozoic/Phanerozoic boundary." The Island Arc. (in press). (1998)
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[Publications] 丸山茂徳, 磯崎行雄: "生命と地球の歴史" 岩波書店, 275 (1998)