1999 Fiscal Year Annual Research Report
上部マントル構成鉱物の超高圧高温下での熱拡散率測定
Project/Area Number |
09440188
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
桂 智男 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (40260666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 正美 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (90234153)
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Keywords | 熱拡散率 / フォルステライト / 温度依存性 / 圧力依存性 / ウムクラップ過程 |
Research Abstract |
本年は、Mg_2SiO_4組成の合成カンラン石(フォルステライト)の熱拡散率を圧力0GPaと6GPa、温度範囲350-1500Kで測定した。フォルステライトは金属マグネシュウムとTEOSからゾルゲル法によって合成し、最終的に1700Kで焼成した。高圧セル中に組み込んだグラファイトヒーターには周波数500Hzの交流を供給し、その電力を正弦的に変動させることによって温度波を発生した。データ収集は2台のHP3458Aマルチメータを用いて行い、51.2-409.6sample/secの速度でサンプリングした。温度計測にはPt-Pt13Rhの熱電対を用いた。測定には周期1,2,4,8,16秒の温度波を用い、各周期における結果は良い一致を見た。 フォルステライトの熱拡散率の絶対値は、Fo90のカンラン石と比べて7割ほども大きい。この違いが測定系の違いなのかどうか、詳細に検討する必要がある。 測定した温度範囲では、フォルステライトの熱拡散率は、温度上昇に伴って単調に減少する。だが、単純な物質の熱拡散率とことなって、その逆数は絶対温度の線形関数とはならず、温度変化ははるかに小さい。これは、結晶構造が複雑であるため、ウムクラップ過程による熱抵抗が増大する前に、結晶構造自身による熱抵抗が有効に作用するためと考えられる。 0GPaと6GPaで熱拡散率は約40%上昇する。Fo90の場合、この値は20-30%であり、フォルステライトの熱拡散率の圧力依存性は、Fo90よりもより有意に大きい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Katsura,T.: "Symmetry change of majorite solid-solution in the system Mg_3Al_2Si_3O_<12>-MgSiO_3"American Mineralogist. 84. 1135-1143 (1999)
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[Publications] Kanzaki,M.: "NMR characteristics of possible oxygen sites in aluminosilicate glasses and melts : an ab initio study"J.Phys.Chem.B. 103. 10816-10830 (1999)
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[Publications] Kanzaki,M.: "A computer simulation approach for the prediction of trance element partition between crystal and melt"Physics meets Mineralogy. (2000)