1999 Fiscal Year Annual Research Report
造岩鉱物中の3d族遷移金属および希土類元素の拡散と分配の研究
Project/Area Number |
09440193
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
長澤 宏 学習院大学, 理学部, 教授 (80080464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 正名 東京大学, アイソト?プ総合センタ?, 助手 (20013766)
垣内 正久 学習院大学, 理学部, 助手 (60146321)
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Keywords | 拡散速度 / メリライト / ユ-ロピウム / 相互拡散 / オケルマナイト / ゲ-レナイト / 同位体分別係数 |
Research Abstract |
(1)メリライト中の希土類元素の拡散 メリライト中のEuの拡散速度をトレ-サ法によって測定した。大気雰囲気下では、表面近くの遅い拡散と内部への速い拡散の二つの部分にわかれ、還元的雰囲気下ではオケルマナイト中では単一の拡散速度、ゲ-レナイト中では、相対的に低いものの、内部への速い拡散もかんそくされた。Euの拡散について極めて複雑な行動が観測された。 (2)メリライト端成分間のイオン対の拡散 メリライトの端成分結晶であるゲ-レナイトCa_2Al_2SiO_7とオケルマナイトCa_2MgSi_2O_7の単結晶をa-軸方向で接触させ、拡散加熱を行い、Al・AlとMg・Siのイオンペアの相互拡散を起こさせた。ゲ-レナイト中へのMg・Siペアの拡散速度が著しく低く、中間濃度部分では2桁程度早くオケルマナイト中へのAl・Alペアの拡散速度もまた、低くなる結果が得られた。 (3) 水和Cu(II)塩結晶と飽和溶液間の水素同位体効果 結晶水と飽和溶液あるいは水蒸気の間で水素同位体の分別がどのように起こるかに付いては、従来から多くの測定値があるが、その分別係数の理論的裏付けは十分でなく、理論的計算は行われていない。この研究では、塩化銅2水和物と水蒸気の間のD/Hの分別係数を結晶のラマン分光の結果から理論的に計算し、これを実測の分別係数の値と比較した。塩化銅2水和物中のH_2OおよびD_2Oそれぞれについて測定した22の振動スペクトルを用いて、分配関数の計算を行った結果、このような理論計算から十分よい計算値が得られることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Ito: "Co^<2+> and Ni^<2+> diffusion in olivine determined by secondary ion mass spectrometry"Physics and Chemistry of Minerals. 26. 425-431 (1999)
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[Publications] 垣内正久: "固体高分子電解質方式トリチウム電解濃縮装置における重水素およびメリチウム濃縮率の相関"Radioisotopes. 48. 79-86 (1999)
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[Publications] M.Kakiuchi: "Distribution of isotopic water molecules,H_2O,D_2O,DHO,in vapor and Liquid phases in pure water and aqueous solution systems."Geochimica et Cosmochimica Acta. (印刷中). (1999)