1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440200
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 重樹 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20113425)
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Keywords | 溶液ダイナミックス / 励起状態 / 電子状態 / 分子動力学 / 液体統計力学 / ポテンシャル面 / 溶媒効果 |
Research Abstract |
溶液内反応のポテンシャル面とダイナミックスを明らかにする上で重要な役割を果たす溶媒の熱揺らぎとそれに起因する反応分子の電子揺らぎに注目し、反応過程を記述するための新しい理論的方法論の開発と具体的な反応過程のダイナミックスの解明を目的として研究を行った。今年度は、(1)溶液内での溶質分子の電子分極の機構についてのab initio分子軌道法による解析を行った。 結果、水溶媒中では中性の溶質分子の分極率は気相での値に比べて13〜18%減少し、塩素アニオンの場合は37%減少することが分かった。また、アルゴン溶媒中では、水中より分極率の減少の度合いは小さく、中性の溶質で1〜9%、塩素アニオンで18%となった。また、(2)積分方程式理論に基づく溶液内分子の新しい電子状態理論の開発を行った。先ず、溶質・溶媒間の短距離相互作用を記述するためエネルギー分割法により得られた交換エネルギーと電荷移動項の和を再現するように溶媒分子の有効ポテンシャルを決め、次に、この溶媒の有効ポテンシャルを用いてHNC近似に対する過剰自由エネルギーを求め、それに変分法を適用することにより溶質分子の電子状態に対する過剰自由エネルギーを求め、それに変分法を適用することにより溶質分子の電子状態に対するSCF方程式を導いた。この際、溶媒・溶媒および溶質・溶媒間の分布関数に対するOZ方程式はrotational invarianceを用いて表現した。更に、(3)QM-MM法に基づくシクロデキシトリンの触媒作用の解析を行った。計算により求められた反応の活性化エネルギーは実測値と良く一致した。計算結果の解析により、シクロデキシトリンの触媒効果は、反応進行に伴うシクロデキシトリンの脱溶媒和であることが分かった。
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[Publications] 仲 一成: "Effect of Solvent Fluctuation on the Electronic Transitions of Formaldehyde in Aqueous Solution,"J. Chem. Phys.. 110. 3484-3492 (1999)
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[Publications] 石田 千城: "Solvation Dynamics of Benzonitrile Excited State in Polar Solvents: A Timedependent Reference Interaction Site Model Self-consistent Field Approach"J. Chem. Phys.. 110. 11423-11432 (1999)
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[Publications] 森田 明弘: "An ab initio Analysis of Medium Perturbation on Molecular Polarizabilities"J. Chem. Phys.. 110. 11987 (1999)
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[Publications] 仲 一成: "Solvent Electronic Polarization Effect on the Electronic Transitions in Solution: Charge Polarizable Reference Interaction Site Model Self-Consistent Field Approach"J. Chem. Phys.. 111. 481-491 (1999)
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[Publications] 中村 恒夫: "State Resolved Reaction Rates of the Spin-forbidden Predissociation Reaction of N2O: A Quantum Dynamic Study of the Rotational Effect"J. Chem. Phys.. 112. 1785 (2000)
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[Publications] 山本 武志: "Full-dimensional Quantum Dynamics Study on the Mode-specific Unimolecular Dissociation Reaction of HFCO"J. Chem. Phys.. (印刷中). (2000)
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[Publications] 加藤 重樹: "The Transition State: A Theoretical Approach"講談社. 17 (1999)