1997 Fiscal Year Annual Research Report
炭素炭素結合切断を伴うカップリング反応の開発と応用
Project/Area Number |
09440212
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 保 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (30163273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
席 振峰 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (90292060)
原 隆一郎 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (30281851)
KOTORA Marti 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (60281846)
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Keywords | 炭素炭素結合切断 / ジルコニウム / ジルコナミクロペンテン / ジエン / アセチレン / ビニルブロミド / カップリング / ビニル基 |
Research Abstract |
炭素-炭素結合切断を伴うカップリング反応として我々はアセチレンとオレフィンのカップリング反応について検討した。アセチレンとしてビス(トリメチルシリル)アセチレンを用い、オレフィンとしてビニルブロミドを用いた。まずジルコノセンジブチルにビストリメチルアセチレンを加え、それにビニルブロミドを加えて室温で撹拌し、酸で処理すると2、3位の炭素にトリメチルシリル基が結合したジエン誘導体が収率95%で得られた。酸の代わりに重塩酸で処理すると末端の炭素に重水素が入ったジエンが重水素化率98%以上、収率92%で得られた。さらに酸の代わりにヨウ素で処理すると末端の炭素にヨウ素が結合したヨードジエンが収率90%で得られた。この反応をジルコノセンジブチルの代わりにジルコノセンジエチルで行い、アセチレンとしてジフェニルアセチレンを選ぶと、途中中間体としてジルコナシクロペンテンを経由することが分かった。このジルコナシクロペンテンにビニルブロミドを加えるとジフェニルジエンが生成したが、2、3位の炭素にフェニル基が結合したジエンが収率76%、1、2位の炭素にフェニル基が結合したジエンが12%の収率で得られた。本反応はいずれの場合もビニル基の炭素-炭素2重結合が切断されており、炭素-炭素結合切断を伴ったアセチレン類とオレフィン類のカップリング反応という新しいタイプの反応である。
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