1997 Fiscal Year Annual Research Report
分子内電荷サイト導入による光合成モデル電子移動の新しい活性化
Project/Area Number |
09440217
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大須賀 篤弘 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127886)
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Keywords | ポルフィリン / 光合成反応中心 / 電荷サイト / 電子移動 / 電荷分離 |
Research Abstract |
1、ポルフィリン-ピロメリットイミド2元系分子のピロメリットイミド側に正電荷として4級アンモニウム塩サイトを有するモデルの電子移動速度を様々な溶媒中で定常蛍光、蛍光寿命、過渡吸収などで決定した。ベンゼン中では、フリーベースポルフィリンからピロメリットイミドへ約100ピコ秒位の時定数で電子移動するが過渡吸収で実際にイオンペア状態が観測された。ピロメリットイミドの近傍にあるアンモニウム荷電サイトとのクローン相互作用でイオンペア状態は安定化されるため、電子移動は加速される。一方、DMFのような極性溶媒では、この加速効果は弱い。また、塩化メチレンやクロロホルムのようなハロゲン化溶媒では、荷電サイトの無い参照モデルでも著しい蛍光消光が見られ、この場合も荷電サイトの効果は少ない。これまで、光合成反応中心モデルとして開発してきたダイマー-モノマー-ピロメリットイミド3元系モデルの特定の箇所への荷電サイトの導入を10数ステップの合成を経て行い、対応するモデルの合成を完了した。過渡吸収では、極めて高速の電子移動によりダイマーからモノマーへ電子動し、更に速やかにピロメリットイミドへ電荷シフトしていることがわかった。 2、電子移動経路に荷電サイトを導入して電子移動反応を制御すべく、ポリフィリンとピロメリットイミドやナフタレンジイミドをホウ素で架橋したモデルを合成した。ドナー性の高い溶媒では電子移動が抑制されることがわかった。また、ベンゼン中で一等量のフッ素イオンを添加するとフッ素に配位するが、この状態では電子移動がほぼ完全に抑制されることもわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小谷 正二: "Picosecond dymanics of intramolecular charge-transfer processes of β-substituted porphyrins adsorbd (on the porous glas)" Chemilol Physics Letters. 269. 274-280 (1997)
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[Publications] M.P.Debreczeny: "Singlet-singlet Energy Transfer Mechanisms in Coralently Lilsed Fucoxan thin-and Zeaxanthin-Ryrophesphoobidr Molecules" Journal of American Chemical Society. 119. 6407-6414 (1997)
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[Publications] 篠田 哲史: "Energy and Eluation Transfer Properties of Methyl Pheophorbide a in Zinc Porphyni-Phesphorbile Dyads" Tefrahedron. 53. 13657-13660 (1997)
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[Publications] 大須賀 篤弘: "A full charge separation Over the two Same Chromaphous in a photogynthetic Tetrad" Journal of Photoscrence. 4. 113-119 (1997)
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[Publications] 吉田 直哉: "Meso-meso liked Diporphyins fom 5,10,15-Tri-subitutede Porphyrins" Chemistry Letters. 1998. 55-56 (1998)
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[Publications] 大須賀 篤弘: "Fucoxanthin-and Peridinin-Pheophorbide-a Molecules as a New light-Harvesting M.dcl" Te trahedron Letters. 38(印刷中). (1998)