1998 Fiscal Year Annual Research Report
界面を反応場とする分子認識法の開発とレーザー分光法による認識機能解析
Project/Area Number |
09440249
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70114569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西沢 精一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40281969)
内田 達也 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30261548)
早下 隆士 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70183564)
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Keywords | 分子認識 / 水素結合 / チオ尿素 / 界面反応 / レーザー分光 / 表面第二高調波発生 / 界面張力 |
Research Abstract |
界面を反応場とする分子認識法として,生体内における分子間力として重要な役割を演じている水素結合を利用したイオン認識に着目し,試薬の合成とその機能評価を行った。また,界面選択的な計測法として,共鳴第二高調波発生分光法時間分解蛍光法,電気化学STM,QCM,動的界面張力,界面イオン移動などの各種計測法を用いて界面吸着分子の反応性や吸着挙動の解析を行った。 まず,水素結合を利用したイオン認識については,光誘起電子移動型の蛍光プローブの中で分析化学的に有用なRatiometricな応答を示す認識試薬の開発に成功し,イオン認識と光情報変換を達成した。また,アントラキノンの1位及び2位のチオ尿素誘導体について高配向グラファイト電極に吸着させて電気化学応答を検討した結果,ATPに特異的に応答する現象を見い出し,電極吸着分子の自己集合化が選択性発現の主要因と分かった。認識機能の解析に関しては,クラウンエーテルを認識部位,アゾベンゼンを情報変換部位とするイオン認識試薬の液液界面吸着における配向性について共鳴第二高調波分光法により解析した結果,認識前後で分子配向性が変化することを見い出した。さらに,バルク水溶液中では実現不可能な,水素結合を利用したアニオン認識とイオン移動を油水界面を反応場として世界で初めて達成した。チオ尿素基を認識部位とするベンゼン誘導体において硫酸イオンに対して油水界面における水素結合によるアニオン認識を電気化学的イオン移動測定により確認し,電位印加により初めてアニオンの促進移動を実現した。 以上,界面を反応場とする分子認識法を開発し,レーザー分光法なとを用いて認識機能の解析を行った。
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[Publications] K.Bessyo: "Intramolecular Eximer Formation Dynamics" J.Mol.Cryst.Liq.Cryst.315. 23-28 (1998)
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[Publications] T.Ishioka: "Photosensitive Oligomer Formation" Chem.Lett.8. 765-766 (1998)
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[Publications] T.Ishioka: "Development of Time-resolved Surface Enhanced Raman" Chem.Lett.8. 771-772 (1998)
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[Publications] T.Shioya: "Anion Recognition at the Liquid-Liquid Interface" J.Am.Chem.Soc.120. 11534-11535 (1998)
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[Publications] S.Nishizawa: "Anion-sensing by a Donor-spacer-acceptor" J.Chem.Soc.Perkin Trans 2. (11). 2325-2327 (1998)
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[Publications] S.Nishizawa: "Ratiometric Fluorescent Sensing" J.Chem.Soc.Perkin Trans 2. (2). 141-143 (1999)