1998 Fiscal Year Annual Research Report
顕著な光吸収特性変化を示すイオン会合試薬の合成と水溶液内イオン会合反応の研究
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09440251
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| Research Institution | Okayama University |
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Principal Investigator |
本水 昌二 岡山大学, 理学部, 教授 (50032826)
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| Keywords | イオン会合試薬 / ソルバトクロミズム / イオン会合平衡 / キャピラリー電気泳動法 / 吸光光度法 / ニトロフェニルアゾフェニール誘導体 / アゾアルキルアンモニウムイオン / イオン移動度測定 |
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| Research Abstract |
疎水的イオン会合に関し,新規開発の陰イオン性及び陽イオン性イオン会合試薬を用いて,吸光光度法とキャピラリー電気泳動法の手法により,平衡論的な面から研究できる解析法を開発した.本年度の研究実績は次の4点に要約される:(a)水溶液中で顕著なソルバトクロミズム発現のイオン会合試薬の合成・開発に成功した,(b)水溶液における疎水的イオン会合反応の実験的検証を行う新しい手法の開発に成功した,(c)疎水的イオン会合における疎水的相互作用の寄与を明らかにした.(d)陽イオン,陰イオンの疎水性の尺度の決定,疎水性相互作用の推算法に関する新しい知見を得た.
1. 顕著な光吸収特性変化(ソルバトクロミズム)を示す陰イオン性試薬の設計・合成とイオン会合反応解析 モノ及びジアルキルアミノフェニルアゾベンゼンスルフォン酸誘導体(アルキル基:C_1〜C_<10>)を合成し,長鎖アルキルアンモニウムイオンとの強いイオン会合相互作用を見いだし,顕著な短波長側へのソルバトクロミズム発現を実証した.イオン会合反応を吸光光度法により解析する新しい手法(酸解離法)開発にも成功し,反応の精密解析と,アルキル基の寄与に関する知見を得た.長波長側へのソルバトクロミズム発現試薬として,ニトロフェニルアゾフェノール誘導体を合成し,イオン会合反応の平衡論的解析にも成功した.これら試薬を用いる分析法も開発した.
2. ソルバトクロミズム発現陽イオン性試薬の設計・合成とイオン会合反応解析 N-(モノ,ジニトロフェニルアゾベンジル)一N,N,N-トリアルキルアンモニウムイオン誘導体の合成に成功した.この陽イオン性試薬は長鎖アルキルスルフォン酸イオン,アルキル硫酸イオンなどの陰イオン界面活性剤と水溶液中で反応し,顕著なソルバトクロミズムを発現した.反応の平衡論的解析にも成功した.
3. イオン移動度測定に基づく水溶液内イオン会合反応の精密解析手法の開発 キャピラリー電気泳動法による移動度の精密測定法を開発し,弱いイオン会合反応の解析に成功した.この解析手法を用いて,有機,無機イオン間のイオン会合反応を解析し,イオン間における疎水的相互作用の寄与及び尺度の決定と疎水性相互作用の推算,イオン会合定数の推算に成功した.
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[Publications] T.Takayanagi: "Equilibrium study on the ion association of monovalent and divalent naphtholsulfonates with tetrabuty lammonium ion in an aqueous solution by ・・・" Analytical sciences. 14巻. 311-315 (1998)
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[Publications] E.Wada: "Capillary zone electrophoretic separation of aromatic anions utilizing enhanced ion associability with viologen cations" Analyst(London). 123巻. 493-495 (1998)
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[Publications] T.Takayanagi: "Analysis of ion association reaction between crown ether complexes of alkali metal ions and hydrophobic anions by capillary zone electrophoresis" Bull.Chem.Soc.Jpn.71巻. 1371-1379 (1998)
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[Publications] 高柳俊夫: "非イオン性海面活性剤ミセル存在下におけるトリフェニルメタン系陽イオン染料からトリフェニルメタノール生成の速度論的研究" 分析化学. 47巻. 953-958 (1998)
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[Publications] 本水昌二: "イオン会合とその反応機構" 分析化学. 48巻. 151-181 (1999)
