1997 Fiscal Year Annual Research Report
行動遂行時のノンスパイキング介在神経シナプス電流のホールセル記録法による解析
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09440274
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高畑 雅一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10111147)
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Keywords | アメリカザリガニ / ノンスパイキング介在神経 / シナプス電流 / 無麻酔全体標本 / ホールセル記録法 / トレッドミル / 樹状突起 / 微小電極法 |
Research Abstract |
アメリカザリガニ中枢神経系内のノンスパイキング介在神経から、歩行運動およびこれと関連した姿勢制御行動の遂行にともなうシナプス電流をホールセル記録法により計測する目的で、本年では、ベルト型トレッドミル上での実験動物にガラス管微小/パッチ電極を適用する実験システムの確立を目指した。また、実験動物の動きの自由度を最大限に保証するために、トレッドミル装置の改良を行った。 ベルト型トレッドミル上でザリガニが歩行運動を遂行している間に、ガラス管微小電極を用いて、その腹部神経節内のノンスパイキング介在神経を含む各種中枢細胞のシナプス活動を記録した。その結果、細胞により、歩行運動の開始、継続、終止と関連した固有のシナプス活動を示すことが判明した。大部分の細胞では、リズミカルな歩行運動中に持続性のシナプス活動が観察されたが、これは歩行運動の遂行に関する情報を中枢内に伝える随伴性活動と考えられる。細胞の形態は、いずれも生理実験終了後に蛍光色素による細胞内染色により確認した。又、本年度は、従来のベルト型に代えて使用するための球形クラマ-型トレッドミルシステムを開発した。最小限の拘束条件で固定した状態で実験動物に直径約12cmの発泡スチロール製球の上を歩かせ、球の動きを光学的にモニターすることによって、歩行運動の開始と終止、歩行の速度と方向を定量化することが可能であった。このトレッドミルシステムには、従来通りの電極保持装置を設定することが可能である。これらの結果により、行動遂行中のザリガニ中枢神経系にホールセル記録法を適用する技術的基盤が確立された。次年度は、微小電極に代えてパッチ用電極を用い、ブラインド法によりin vivoの細胞からホールセル記録を行う予定である。
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[Publications] Ryou Hikosaka: "Quantitative analyses of anatomical and electrotonic structures of crayfish nonspiking interneurons by three-dimensional morpnomecry" Journal of Comparative Neurology. 392. 1-17 (1997)
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[Publications] Maki Murayama: "Neuronal mechanisms underlying the facilitatory control of uropod steering behaviour during treadmill walking in crayfish.I" Journal of Experimental biology. (in press). (1998)
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[Publications] Maki Murayama: "Neuronal mechanisms underlying the facilitatory control of uropod steering behaviour during treadmill walking in crayfish.II" Journal of Experimental Biology. (in press). (1998)