1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440275
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
沼田 治 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (50189354)
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Keywords | テトラヒメナ / クエン酸合成酵素 / 細胞骨格 / ミトコンドリア / クエン酸回路 / 接合 / アイソフォーム / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
テトラヒメナ・クエン酸合成酵素は細胞質では直径14nmの繊維を形成し、細胞骨格として機能している。一方、ミトコンドリアではクエン酸合成酵素として機能していると考えられている。クエン酸合成酵素に多機能性があるかどうかを直接証明するため、クエン酸合成酵素のcDNAを大腸菌に導入してリコンビナントクエン酸合成酵素を合成し、これに繊維形成能とクエン酸合成酵素活性があるかどうかを検討した。テトラヒメナでは終止コドンTAAがグルタミンとして読まれているので、クエン酸合成酵素のcDNA中にある14個のTAAを従来のグルタミンコドンCAAに改変して大腸菌に導入しリコンビナント・クエン酸合成酵素を大量に得ることに成功した。リコンビナント・クエン酸合成酵素にはクエン酸合成酵素活性も繊維形成能もあることが判り、テトラヒメナ・クエン酸合成酵素が多機能蛋白質であることが直接証明された。 テトラヒメナのミトコンドリアから精製したクエン酸合成酵素と、重合脱重合で精製した14nm繊維蛋白質を二次元電気泳動法によって詳細に比較した結果、クエン酸合成酵素には2種類のアイソフォームがあり、14nm繊維蛋白質にはこれら2つとより塩基性のアイソフォームの合計3種類のアイソフォームがあることが判った。また、これらのアイソフォームは翻訳後の修飾によって生じることが明かになった。クエン酸合成酵素と14nm繊維蛋白質の局在性や機能の違いがこれらアイソフォームの違いによるものと考え、今後これらの修飾の実体を明かにしていく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Takeda, Y.Watanabe, and O.Numata: "Direct demonstration of the bifunctional property of Tetrahymena 14-nm filament protein/citrate synthase following expression of the gene in Escherichia coli" Biochem.Biophys.Res.Commun.237. 205-210 (1997)
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[Publications] H.Kojima, Y.Watanabe, and O.Numata: "The dual functions of Tetrahymena citrate synthase are due to the polymorphism of its isoforms" J.Biochem.122. 998-1003 (1997)
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[Publications] A.Watanabe, Y.Kurasawa, Y.Watanabe, and O.Numata: "The new Tetrahymena actin-binding proteins is localized in the division furrow" J.Biochem.123(in press). (1998)
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[Publications] O.Numata, K.Hanyu, T.Takeda, and Y.Watanabe: "Tetrahymena calcium-binding proteins,TCBP-25 and TCBP-23 In TETRAHYMENA THERMOPHILA(D.J.Asai,J.D.Forney eds.)" Academic Press,San Diego (in press), (1998)