1998 Fiscal Year Annual Research Report
X線画像記録素材BaFBr中の電子捕獲中心励起状態と記録・読出し機構の解明
Project/Area Number |
09450002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 泰洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20013534)
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Keywords | X線画像記録 / イメージングプレート / 輝尽発光 / 蛍光体 / ルミネッセンス / 電子捕獲中心 / ルミネッセンス / 二次元検出器 |
Research Abstract |
X線画像記録材料であるイメージングプレートでは,X線によってBaFBr:Eu中に作られた電子と正孔が分離して捕獲され(記録過程),励起光によって,再励起後の再結合発光を検出,記録する(読出し過程).現在,記録・読出し機構に関して幾つかモデルが提案されているが.確立されていない.この機構解明を目的として,電子捕獲中心(F中心)が,読み出し光によって励起された状態の熱安定性、および捕獲電子と正孔との再結合過程を明らかにすることができた。用いたのはF中心の赤外発光を検出し,強度と寿命の温度依存性を求め,熱活性化エネルギーを求める方法と読み出し光励起によるEu発光とF発光との相関の温度依存性を求める方法である。得られた結果から,読み出し過程として電子捕獲中心から発光中心に至る電子の経路として,熱活性後伝導帯を経由する経路と,励起状態から直接発光中心にトンネル効果で移動する経路があることを明らかにすることができた.また、電子捕獲中心として考えられる二種類のF中心は,両者とも熱活性化エネルギーが約30〜40meVであり,室温では充分伝導帯に熱的に励起され,発光中心上の正孔と再結合し発光に寄与する事が明らかとなった.この機構は,始めに高橋らによって提案された機構である.又トンネルによる電子の移動も観測されており,近接して捕獲された電子正孔ペアーの再結合による機構も支持する結果となった.
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