1998 Fiscal Year Annual Research Report
有機/金属界面のナノレベル構造制御と光電流増倍デバイス
Project/Area Number |
09450012
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平本 昌宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20208854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 正明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029281)
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Keywords | 光電流増倍現象 / 有機 / 金属界面 / 増幅型光センサー / 構造トラップ / 初期光過渡応答 / 高速応答 / シリコン基板 / トンネリング |
Research Abstract |
本研究は、申請者が発見した、光電導性有機顔料薄膜における、10万倍を越える光電流増倍現象の機構の詳細な解明を行い、実用可能な増幅型光センシングデバイスへの応用可能性を実証する目的で行ったものである。申請者はすでに、金属有機薄膜界面に存在する分子サイズの行き止まり構造(構造トラップ)への光生成ホールの蓄積によって、界面に電界が集中し、電極からの電子のトンネル注入が誘起されるという増倍メカニズムを提出している。 平成10年度はまず、増倍素子の初期光過渡応答を測定した。光照射後一定の1次光電流が流れ、数10ミリ秒後に増倍電流の立ち上がりが観測され、上述のメカニズムを支持する明確な結果を得ることに成功した。さらに、この知見に基づいて素子構造の改善を行った結果、トラップ現象によって引き起こされる光電流増倍現象はその応答速度が遅くこれまで明確な飽和増倍電流値が得られなかったにもかかわらず、今回初めて、室温において数秒で明確な飽和電流値を示す増倍素子の作製に成功した。この結果は、我々が増倍現象を制御できるようになったことを意味し、その意義は大きい。また、機能デバイスへの今後の展開も念頭において、従来のITO基板に代えてシリコン基板を用いた増倍素子を検討した結果、同様な増倍現象の観測に成功し、今後のより高度なデバイス構築の基礎を確立した。以上は、光電流増倍現象に基づく実用的な光センシングデバイスが実現できることを示す成果と考えている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Hiramoto: "Photocurrent Multiplication Phenomena at Organic/Metal and Organic/Organic Interfaces" Thin Solid Films. 331. 71-75 (1998)
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[Publications] M.Hiramoto: "Photocurrent Multiplication at Organic/Metal Interface and Morphology of Metal Films" Japaneses Journal of Applied Physics. 37. L1184-L1186 (1998)
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[Publications] K.Nakayama: "Transient Response of Multiplied Photocurrent observed in Metal/Organic Pigment Film Interface" Proceedings of IS&T's NIP14. 490-493 (1998)
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[Publications] M.Hiramoto: "Field-activated Structural Traps at Organic Pigment/Metal Interfaces Causing Photocurrent Multiplication Phenomena" Applied Physics Letters. 73. 2627-2629 (1998)
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[Publications] K.Nakayama: "Direct Tracing of Photocurrent Multiplication Process in Organic Pigment Film" Journal of Applied Physics. 84. 6154-6156 (1998)