1997 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノスケール構造におけるコヒーレント・フォノンの定量ダイナミクス
Project/Area Number |
09450025
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 信一朗 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80109488)
|
Keywords | 超高速 / 半導体 / レーザー / フォノン / 超音波 / 超格子 / 反射率 / 表面 |
Research Abstract |
YAGレーザ励起Ti:サファイアレーザーを用いたフェムト秒ポンププローブ測定システムの組み立てをした。ポンプパルス波長として830nm、プローブパルス波長としてその第2高調波である415nmを使用した。このシステムを動作確認する目的で、我々はまずはじめに金属についての実験を行った。試料として、膜厚1ミクロン以下のNiおよびCr薄膜をSi基板上に蒸着したものを用意した。反射率の変化を遅延時間の関数として測定し、そのデータより、薄膜と基板の界面で反射されるコヒーレントフォノンパルスについて分析することができ、さらにそれらの音響周波数スペクトルを測定することができた。 半導体GaAs薄膜試料についての実験は現在その途上にあり、GaAs/A10.3Ga0.7AS超格子試料の作成は進行している。コヒーレントフォノンパルスの2つのモード、即ち表面波モードと縦波モードとについて試験を行うために超格子試料を設計した。表面波を生成するために2つの超格子の間にバッファー層を挟んだ構造を作成した。それぞれの超格子が表面波にとって発生器と検出器の役割を果たす。一方、縦波を生成するために、超格子を埋め込んだ構造を作成した。実験系の組み立て作業と並行して金属中における超高速励起について理論的モデリングを行った。その理由としては、半導体中における励起の物理的描像と金属におけるそれとに大きな関連性があるからである。(学会発表1報、学術論文1報)
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] O.B.Wright, P.L.G.Ventzek and V.E.Gusev: "金属中における電子の超高速緩和過程:モンテカルロシミュレーションと理論的解析との比較" 日本物理学会1997年秋の分科会. 214- (1997)
-
[Publications] V.E.Gusev, O.B.Wright: "Ultrafast nonequilibrium dynamics of electrons in mitals" Physical Review B. 57(5). 2878-2888 (1998)