1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450034
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
三上 修 東海大学, 工学部, 教授 (30266366)
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Keywords | マイクロ レンズ / モアレ / 結像 / 視覚センス / 複眼 |
Research Abstract |
昆虫の複眼による画像情報処理システムに学んだ新しいイメージ合成技術の検討を昨年度に続き、進めている。トンボなどの昆虫はきわめて多数の微小レンズを有し、個々のレンズは一個一個のイメージを作成するのではなく、多数のレンズ全体で一個のイメージを合成していると考えられている。われわれは人工的にこのシステムを作成することに成功している。 今年度の研究の結果、以下の知見を新たに得た。 1. 石英製の超精密なレンズ板を試作し実験を行った結果、従来イメージ合成に必要なレンズ板間隔は、微小レンズの焦点距離の2倍と考えられていたが、この条件は固定ではなく、レンズ板から物体までの距離、および観測者(カメラ)までの距離に依存することが判明した。、距離依存性は大きくはないが、これまでのイメージ合成の理論的解明にには反映されていないので、今後、再検討が必要であることが分った。 2. 観測者が光軸に垂直に移動すると、合成されるイメージが変化することが分った。すなわち両眼でディスクパターンを観測すると、イメージがだぶって生じ、いわゆる2重写しのように観測されるので、画質が悪くなった。これを従来の解析手法を用いて検討した結果、シミュレーションでもその傾向は明らかになった。これは物体の3次元情報を再生することに応用できる可能性があり、新たな応用が見出された。 3. プラスチック製レンズの場合、特定の角度ずれの場合、ディスクパターンで観測されるイメージに特殊性が見出された。すなわち、物体の左右が反転した「鏡像」であること、およびそのイメージが、ディスクパターンの回転とともに2倍の速度で回転した。この現象についてはさらに解明が必要である。
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