1997 Fiscal Year Annual Research Report
磁性形状記憶合金の電磁・熱・機械連成モデリングとアクチュエータ材料としての検討
Project/Area Number |
09450043
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高木 敏行 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (20197065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
裘 進浩 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (60241585)
圓山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
古屋 泰文 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (20133051)
松本 實 東北大学, 素材工学研究所, 講師 (30006043)
谷 順二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006192)
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Keywords | 磁性形状記憶合金 / 形状記憶合金 / ホイスラ-型 / マルテンサイト変態 / 強磁性 / X線回折 / 形状記憶効果 / 非化学量論 |
Research Abstract |
Ni_2MnGaはホイスラ-型の結晶構造をもつ規則格子合金である。高温では立方晶であるが、冷却に伴いマルテンサイト変態を起こして正方晶となる。また、この合金は強磁性体で立方晶の存在する温度範囲にキューリ-温度をもつ。正方晶における磁化は強い異方性を示し,立方晶の温度範囲での磁化には異方性が見られない。単結晶において圧縮による残留歪みは加熱により容易に消失する。これは形状記憶効果が存在することを示している。このようにNi_2MnGaは強磁性形状記憶合金であり、種々の特性が報告されている。 本研究の目的はこのような強磁性形状記憶合金Ni_2MnGaの各元素の組成を変えた場合、物理的・機械的特性がどのように変化するかを明らかにすることである。 高純度のNi、MnおよびGa元素を原料とし、アーク炉で熔解した。得られたインゴットは規則化のため石英管に真空封入し、1100Kで9日間熱処理をした後氷水中に焼き入れた。X線回折によりこれらのインゴットはホイスラ-型の結晶構造をもつことを確認した。合金の組成はNi_<2+X>Mn_<1-X>Ga(X=0〜0.19)とした。 冷却に伴い、発熱によるピークが観測され、これよりMsおよびMfが求められた。一方、加熱によって吸熱ピーク観測され、これよりAsおよびAfが求められた。Ni_<2+X>Mn_<1-X>Gaの変態温度はNi組成の増加に伴い、ほぼ直線的に上昇した。 非化学量論組成の試料に室温で圧縮応力をかけ、それに伴う歪みを測定した。除荷することにより、残留歪みが生じたがこの歪みは加熱により消失した。これより非化学量論組成の試料においても形状記憶効果が存在することが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Seiji Chonan: "Development of an Artificial Urethral Value Using SMA Actuators" Smart Materials Structure. 6. 410-414 (1997)
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[Publications] 高木敏行: "全方位形状記憶合金板の動的変形特性と適応流動制御への応用" 日本機械学会論文集(C編). 63. 3759-3765 (1997)
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[Publications] 松本 實: "磁性形状記憶合金Ni_<>MnGaの開発" 工業材料. 45. 108-111 (1997)
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[Publications] Toshiyuki Takagi: "An Application of All-Round Shape Memory Alloy Plates to Flow Control Using Induced Heating" Proceedings of the Japan-France Seminar on Intelligent Materials and Structures,Sendai,Japan. 243-246 (1997)
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[Publications] Minoru Matumoto: "Phase Transformation of Ni_<2+X>Mn_<1-X>Ga" Proceedings of the Japan-France Seminar on Intelligent Materials and Structures,Sendai,Japan. 247-250 (1997)