1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450045
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宇治橋 貞幸 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80016675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊能 教夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (70126308)
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Keywords | スポーツ・サーフェス / 衝撃吸収 / 落錘試験 / 力学特性 / 官能評価 / 感性工学 / 頭部保護 / ヘルメット |
Research Abstract |
本年度は、日本工業規格(JIS)で採用されている乗車用ヘルメットに対する落下衝撃試験をコンピュータ・シミュレーションにより再現する方法を確立するための基礎研究に重点を置いた。解析対象とするヘルメットの三次元形状を計測する方法と計測した座標データから有限要素法(FEM)による解析に適した要素を創成する方法を開発した。このヘルメットに対するFEM用形状モデルを基にして、落下衝撃試験に供するシェルとライナーおよびヘッド・フォームのFEMモデルを作成した。FEM解析コードには、ABAQUS/Explicitを使用した。シェルの材料特性取得については、同じ種類の繊維強化プラスチンク(FRP)に対して静的引張り試験を行い、ライナーの材料特性取得については、発泡性高分子材料に対して衝撃圧縮試験を行い、それぞれ必要なデータを計測した。これらの取得したデータから、シェルに関しては線形等方弾性平面要素、ライナーに関しては三次元形状の発泡材料とし、ヘッド・フォームについては、剛体と仮定した。 これらのシェル・ライナー・ヘッドフォームからなる三体モデルの剛な床への落下衝撃試験について、FEMを用いたシミュレーションを行い、床反力・シェルおよびライナーの応力・ヘッドフォーム内部の加速度応答などを求めた。これらを実際のヘルメットを用いた落下衝撃試験結果と比較したところ、まだ精度は十分でないものの、定性的には良好なシミュレーション結果であることが明らかになった。 今後は、さらにヘルメットの材料特性を正確に計測することとその特性を忠実に表現するモデルの設定が課題であるが、これが達成されればヘルメットの設計と安全基準の立案へ向けた道筋が示されることになる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Sadayuki Ujihashi,Kazumoto Doi Taku Kogure and Norio Inou: "Head Protection Abilities of Helmets for Sports in Impact" The Third World Congress of Biomechnics. 382 (1998)
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[Publications] 宇治橋貞幸,伊能教夫,土井一素,高 鐵雄: "スポーツ用ヘルメットの頭部保護性能と評価法" 日本機械学会講演論文集(D&D'98). 98-8(I)B. 141〜143 (1998)