1998 Fiscal Year Annual Research Report
電流と応力による原子マイグレーション競合下のLSI微細配線の破壊機構の解明
Project/Area Number |
09450049
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
北村 隆行 京都大学, 工学研究科, 教授 (20169882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 直哉 京都大学, 工学研究科, 助手 (70243053)
大谷 隆一 京都大学, 工学研究科, 教授 (50025946)
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Keywords | LSI配線 / 原子マイグレーション / 電流 / 応力 / 数値シミュレーション / 多結晶配線 / キャビティ / 有限要素法 |
Research Abstract |
LSI(大規模集積回路)においては,電流によって配線中の原子が移動する(エレクトロマイグレーション)ことが知られている.一方,LSI配線には大きな応力が負荷され,この応力によっても原子が移動する(ストレスマイグレーション).これらの原子マイグレーションよって配線内に欠陥(キャビティ)が生成・成長し,断線に至ることがLSIの信頼性の点から大きな問題どなってきている.とくに,配線の微細化とともに電流密度と応力は上昇するため,その破壊過程を明らかにすることが将来のLSI開発においていっそう重要となる.そこで,本研究では特殊な有限要素法に基づいて,多結晶配線の応力誘起の原子マイグレーションによるキャビティ成長シミュレーションを行い,その成長機構を明らかにした.とくに,界面が大きな影響を有することが明らかになった.つぎに,電流に起因する原子マイグレーションによってキャビティが移動する現象について検討し,エレクトロマイグレーションの基本的なシミュレーション方法を確立した.これらを基に,電流と応力が競合する条件の下におけるキャビティの成長シミュレーション法について検討するとともに,特殊な有限要素法を応用して多結晶配線への適用法の確立を図った.これに基づいてその破壊機構および過程について検討を進めた結果,電流のみではキャビティ成長速度は小さいこと,電流が誘起する原子流れによって粒界上に応力分布が発生すること,キャビティの成長はこの応力による原子の流出に律速されていること,が判明した.
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[Publications] Takayuki Kitamura: "Molecular Dynamics Simulation on Grain Boundary Diffusion in Aluminum under Hydrostatic Stress" JSME International Journal. 41-1. 10-15 (1998)
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[Publications] 北村隆行: "体拡散クリープ下の粒界キャビティ成長の数値解析" 日本機械学会論文集. 64-618. 373-378 (1998)
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[Publications] Tadahiro Shibutani: "Creep Cavity Growth under Interaction between Lattice Diffusion and Grain Boundary Diffusion" Metallurgical and Materials Transaction. 29A. 2533-2542 (1998)
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[Publications] Takayuki Kitamura: "Numerical Simulation on Cavity Growth under Interaction between Interface Diffusion and Lattice Diffusion in a LSI Conductor" The 4^<th> International Workshop on Stress Induced Phenomena in Metallization. 341-346 (1998)
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[Publications] 澁谷忠弘: "粒界ネットワークを有するLSI配線の電流と応力による競合下のマイグレーション解析法" LSI配線における原子輸送・応力問題第4回研究会予稿集. 33-34 (1998)