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1997 Fiscal Year Annual Research Report

鋼の水素脆化現象を支配するミクロ破壊過程とミクロ組織の役割の解明

Research Project

Project/Area Number 09450052
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

山田 邦博  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40051742)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鈴木 哲也  慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (10286635)
Keywords脆性破壊 / 水素脆性 / 遅れ破壊 / 粒界割れ / 擬へき開割れ / 4340鋼 / 破壊条件 / 安定き裂成長
Research Abstract

腐食環境下にある機械構造物,あるいは構造用強度部材は,環境中から水素が侵入することによって非常に脆性的な破壊を引き起こすことがよく知られている。このような破壊の防止の指針を得るために種々の観点から研究が進められており,巨視的な破壊挙動を調べる手法からは,腐食環境下にある部材の破壊予知や破壊防止に関する多くの知見が得られたが,破壊を支配する本質的なき裂生成・進展過程とこの過程を支配する要因に関する手がかりを得る試みが残されたままとなっている。本研究は,この種の環境下における破壊強度を決定づけているき裂の生成・進展過程を明確にすることによって,破壊を支配する要因を力学的・金属組織学的観点から検討を加えたものである。
これまで行われてきた人工的応力集中部を持たないAISI 4340鋼平滑材を用いた申請者らの研究から水素環境下にある鋼のき裂挙動は,まず擬へき開割れが内部に形成され,その後の安定成長を経た後,これを引き金として,粒界割れ,ディンプルの形成を伴う急速進展過程へと遷移すること等,従来不明の事柄が明らかとなってきた。さらには,このような試験片内部で引き起こされるき裂生成・進展過程の時間経過との対応をAcousic Emission法により試みた結果,き裂は,潜伏期間を経て生成されるのではなく,応力・水素負荷のごく初期段階において生成を開始し,試験片内部のあらゆる箇所に生成することが分かった。また,結晶粒径を粗粒化した試験片を用いた場合には,不安定破壊開始の条件はこれまで関心が集中していた粒界強度だけではなく,粒内強度にも大きく左右される可能性があることが明らかとなった。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] 細貝・中谷・山田: "粗粒化した高強度鋼を用いた水素誘起型き裂生成・進展過程の解析" 日本機械学会第75期通常総会講演会講演論文集. (未定). (1998)

  • [Publications] 尾崎・中谷・山田: "平滑材遅れ破壊過程における擬へき開割れき裂挙動のAE解析" 日本機械学会第75期通常総会講演会講演論文集. (未定). (1998)

  • [Publications] 中谷・山田: "水素雰囲気下にある鋼の脆性的破壊挙動" 第28回安全工学シンポジウム講演論文集. (未定). (1998)

  • [Publications] Nakatani,Matsuoka,Yamada: "FORMATION AND CHARACTERISTICS OF QUASI-CLEAVAGE CRACK IN HYDROGEN DAMAGED LOW STRENGTH STEEL" PROC.OF THE 12th EUROPEAN CONF.ON FRACTURE. (未定). (1998)

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Published: 1999-03-15   Modified: 2016-04-21  

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