1997 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテクノロジー支援のための超精密加工シェルターの開発
Project/Area Number |
09450059
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
田辺 郁男 長岡技術科学大学, 工作センター, 助教授 (30155189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 好市 関東精機株式会社, 冷機事業部, 課長
外川 徹郎 株式会社日本容器工業, 長岡事業所・エンジニアリング部, 部長
後藤 誠 日本容器工業株式会社, 蓮田工場・技術部, 部長
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Keywords | ナノテクノロジー / 超精密加工シェルター / 超精密加工 / 加工シェルター / 加工環境 / 熱的安定 / 熱伝達 / 熱ドリフト |
Research Abstract |
本研究では,温度尾熱伝達率の変動が少なく,熱的に安定状態にある超精密加工のためのシェルターを開発・評価することを目的としている.本年度は1年目であり,以下のことを明らかにした. (1)有限要素法解析(流体解析)から超精密加工シェルターの形状を立方体とした.有限要素法解析(周波数応答解析)を用いて動剛性が高い,内容積500mm×500mm×500mm程度の真空シェルターを設計製作した.なお,この超精密加工シェルターは外部振動の影響を抑制するに,エアーダンパで3点支持することにした. (2)予備実験の結果,真空ポンプでシェルター内を弱真空環境にすることにより,対流熱伝達を抑制し,熱伝達率変動による構造体の熱ドリフトを防止できることが明らかになり,これを採用することにした. (3)予備実験の結果,シェルター内の雰囲気温度の一定化,超精密加工機の発熱除去のために,シェルター外周部に簡易冷却要素を2重に設け、1重目はシェルター内のラジエーション冷却用,2重目は外部環境の熱的変動からのシェルター保護用とすることが有効であることが明らかになり,これを採用することにした.しかし,簡易冷却要素として当初考えていたパラビームを予備実験で試行したところ,製作時の作業性が極めて悪かったことと伝熱効率が悪かったため,この部分に真空冷却層を設けることにした.この効果については,予備実験と有限要素法解析(流体解析)から確認済みである。 次年度は,上記の機能を持った実際の超精密加工シェルターを製作,開発し,恒温恒熱伝達率の程度,それらのコントロールに必要なパラメータの把握,そのパラメータの定性的かつ定量的な把握をし,さらにSTMによる実機試験によりナノテクノロジー支援の可能性を総合評価する。
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