1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450063
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
青山 藤詞郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70129302)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 英樹 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (40149894)
|
Keywords | 電気粘性流体 / クランパ / 工作物 / 低歪固定 / 精密加工 / 高精度 |
Research Abstract |
本研究は,シリコンウエハのような薄物部品を極低歪で位置決め固定し,例えば半導体の露光プロセスで生ずる微少な加工力や搬送時の微少な加速度や振動の作用に対しても被固定部品の位置を保持可能な,新しい固定装置を開発することを目的としている.微少固定力の発生機構に電気粘性流体を応用したクランピング機構を採用することを提案し,これによって被固定部品に作用する固定力を微少に制御可能なものとする.本研究は,2年間の計画で遂行され,初年度の平成9年度においては,以下の内容について研究が実施された. (1)電気粘性流体の特性解析 電気粘性流体に印加する電場の強さと,発生する降伏応力の関係について,微粒粉体とシリコンオイルの混合比,微粒粉体の直径,電極面積と電極面の形状や粗さ,電極間隔などをパラメータとして実験的な解析が行われ,低歪み固定装置の設計に必要な基礎的特性が明かにされた. (2)低歪み固定装置の設計と試作 (1)で得られた,電気粘性流体の特性解析結果にもとづいて,低歪み固定装置の設計が行われた.固定対象部品としてシリコンウエハを採り挙げて,固定に必要な電極の大きさ,固定装置の形状等具体的な寸法使用と性能計算が行われ,これにもとづいて固定装置の試作が行われた. (3)製作した固定装置の基本性能評価 製作した低歪み固定装置の基本的な特性の評価が行われた.その結果,固定装置の基本的な性能は,当初の見積もりどおりほぼ達成されたが,使用する電気粘性流体の組成や,電極のすきま等に改善の必要があることが明かとなった.
|