1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450074
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
松井 純 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (40251756)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 洋一郎 東京大学, 工学部, 教授 (60111473)
|
Keywords | 希薄気体 / 拡散反射 / 表面散乱 / 付着分子 / 分子動力学 / DSMC法 |
Research Abstract |
1) 表面にあらかじめ付着分子が熱平衡状態で存在する場合に、その表面に衝突・散乱する気体分子の運動がどのように影響を受けるのかを、数値シュミレーションにより調べた。その結果、気体分子の散乱には4種類のパターンが観察できること、それぞれのパターンごとに求めた固体側あるいは付着分子側へ伝達されるエネルギーの分布は正規分布に近いこと、それら分布の平均値と分子間ポテンシャル、質量比、被覆率などへの依存関係がパターンによって異なること、等を明らかにした。 2) 表面と熱平衡状態にある気体分子群の運動をシュミレーションにより再現し、表面に付着し熱平衡に入った後に離脱してくる気体分子の運動を調べた。その結果、離脱現象に3種類のパターンがあること、特に他の付着分子との相互作用で離脱率が大きく変化することなどを明らかにした。 3) 超高真空下における分子線散乱実験を行い、表面反射モデルの構築と検証を行った。またパルスカット法の採用、分子ビーム生成装置の最適化改良、真空排気系および質量分析量の改良など、測定感度を上げるための多くの手法を確立、その効果を確かめた。 4) 表面の「粗さ」が希薄流れに与える影響を調べるため、切削加工オーダーの凹凸を設けた微細すき間における希薄流れをDSMC法を用いてシュミレートした。その結果、希薄度が高い場合に、小さな凹凸から大きな渦構造が生じて流れ場全体へ影響を与えること等を明らかにした。さらに、凹凸の角度によりその影響度が大きく異なること、kn数と粗さ/すき間の比、凹凸の角度の3つのパラメタに対して、すき間の平均速度が5%以上の影響を受ける領域をおおよそ明らかにした。
|