1998 Fiscal Year Annual Research Report
回転曲面上境界層のゲルトラ渦およびT-S波による不安定性に関する研究
Project/Area Number |
09450075
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菊山 功嗣 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90023192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝倉 榮次 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90135327)
長谷川 豊 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20198732)
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Keywords | 境界層 / 遷移 / コリオリの力 / 遠心力 / 壁面曲率 / 速度分布 / ゲルトラ渦 / T-S波 |
Research Abstract |
本研究は平成9年度および10年度の2年間にわたり,実験・理論の両面から回転曲面上における層流境界層の乱流への遷移を明らかにするものであり,平成9年度はまず数値解析を実施し,その結果に基づき実験装置の設計・製作を行った。実験装置は,直径約3000mmの大型回転テーブル上に曲率1000mm,および2000mmの測定用流路を搭載し,流路中央をステンレス板で仕切ることにより凹面側と凸面側の2つの測定壁面に分けた. 平成10年度は回転テーブルを静止した状態(回転率N=0)で曲率半径1000mmの流路の凹面上および凸面上において熱線風速計により平均速度分布,乱れ速度分布および壁面圧力分布を測定し以下の成果を得た. (1) 凹面上では境界層の遷移過程において流線の曲がりによる遠心力は,層内の平均速度分布に大きな変化を及ぼし乱流境界層への遷移を早めるが,一方,凸面上では層流境界層内で乱れの抑制効果を引き起こし,境界層は安定して層流状態がより下流まで継続する. (2) 流路の助がりによる遠心力の作用により,凹面上では層流境界層内の乱れは増大し,凸面上では減少する.またその効果は乱流境界層への遷移に影響を及ぼす.遷移位置は主流のレイノルズ数がRe=4x10^4の場合,凸面上および凹面上で,それぞれ前縁からの距離がx/d=16.9,32.6で見られ,Re=8x10^4では両面ともx/d=9.0〜16.9で見られた. (3) 凹面上境界層における層流から乱流への遷移過程,ならびに乱流状態において,ゲルトラ渦と推定される空間的な速度撹乱が境界層内から主流部に渡る領域で観察された.
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Research Products
(1 results)