1997 Fiscal Year Annual Research Report
固体境界におけるニュートン流体のすべりによる抵抗減少効果
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09450082
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
渡辺 敬三 東京都立大学, 工学研究科・機械工学専攻, 教授 (20072134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水沼 博 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (20117724)
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Keywords | 流体力学 / ニュートン流体 / 抵抗減少効果 / すべり / 圧力損失 / 回転円板の摩擦抵抗 / 超はっ水壁 / 流れの可視化 |
Research Abstract |
今年度は超はっ水性円管及び回転円板の抵抗減少効果について、その特性の現象的論把握とメカニズムの解明を目的として研究を実施し、得られた結果は以下の通りである。 1.超はっ水性円管の抵抗減少効果 実験は供試流体としてニュートン流体である水道水、グリセリン30〜40%水溶液と非ニュートン流体としてポリエチレンオキサイド、界面活性の剤の50〜500ppm水溶液である。供試円管は内壁が接触角が約150°で内径が6及び12mmである。圧力損失の結果は約12%の抵抗減少効果を、そして速度分布の結果は管壁におけるすべり速度の存在を示し、これらの実験値とすべり速度に対する境界条件を用いた解析結果との比較により抵抗減少効果の特性を明らかにした。一方、そのすべり速度の生ずるメカニズムを考察するため、購入設備備品による表面構造の写真が撮られ、供試超はっ水壁の液滴形状の変化が明らかにされた。 2.超はっ水性回転円板の抵抗減少効果 外径180mmの容器内の回転円板の摩擦抵抗モーメントが測定され、水道水で約20%低減する抵抗減少効果が得られ、運動量積分方程式を用いた解析結果と比較された。それらから、円板表面のすべりに起因することが指摘された。さらに、これらの事実を実験的に立証するため、トレーサー法の流れの可視化による実験装置が製作され予備実験がなされ、層流域の実験が行われた。そして、超はっ水性円板の流れは円周方向外向き流れとなることが明らかにされた。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 渡辺敬三,Yanuar,水沼 博: "ニュートン流体の固体境界のにおける滑りについて" 日本機械学会論文集. 63巻611号. 2330-2334 (1997)
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[Publications] 渡辺敬三,小方 聡: "超はっ水性回転円板のニュートン流体における摩擦抵抗の低減について" 日本機械学会論文集. 63巻612号. 2752-2756 (1997)
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[Publications] K.Watanabe 他2名: "Drag Reduction of Newtonian Fluid in a Circular Pipe with Highly Water Repellent Wall" Proc,of 3rd Inter.on Performance for Marine Apolications. 157-162 (1997)
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[Publications] K.Watanabe and S.Ogata: "Drag Reduction for a Rotating Disk with Highly Water Repellent Wall" Proc.of the ASME Fluids Engineering Division Summer Meeting. FEDSM 97-3380. 1-5 (1997)
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[Publications] K.Watanabe and S.Ogata: "Drag Reduction for a Rotating Disk with Slip in Newtonian Fluids" Proc.of the JSME Centennial Grand Congress,Inter,Conf.on Fluid Engineering. Vol,2. 545-550 (1997)
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[Publications] K.Watanabe 他2名: "Slip of Newtonian Fluids at a Solid Boundary" Proc.of Inter.Conf.on Fluid and Thermal Energy Conversion '97. 401-406 (1997)
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[Publications] 渡辺敬三,小方 聡: "超はっ水性回転円板のニュートン流体における摩擦抵抗の低減について" 日本機械学会関西支部第72期定時総会講演論文集. NO.974-1. 12-27-12-28 (1997)
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[Publications] 渡辺敬三,YANUAR,水沼 博: "ニュートン流体の固体境界におけるすべりについて" 日本機械学会第74期通常総会講演論文集. NO.97-1. 160-161 (1997)
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[Publications] 渡辺敬三,YANUR,宇田川浩史: "流体のすべりによる円管内圧力損失の低減について" 日本機械学会第74期通常総会講演論文集. NO.97-1. 162-163 (1997)
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[Publications] 渡辺敬三,小方 聡: "すべりを伴うニュートン流体の回転円板摩擦抵抗の低減" 日本機械学会第74期通常総会講演論文集. NO.97-1. 164-165 (1997)
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[Publications] 渡辺敬三,秋野岳司: "流体のすべりを伴う回転二重円筒間内の流れについて" 日本機械学会第74期通常総会講演論文集. NO.97-1. 166-167 (1997)