1998 Fiscal Year Annual Research Report
固体境界におけるニュートン流体のすべりによる抵抗減少効果
Project/Area Number |
09450082
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Research Institution | TOKYO METROPOLITAN UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡辺 敬三 東京都立大学, 大学院・工学研究科機械工学専攻, 教授 (20072134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水沼 博 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20117724)
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Keywords | 流体工学 / ニュートン流体 / 抵抗減少効果 / 管路の摩擦損失 / 回転円板の摩擦抵抗 / 超はっ水壁 / 流体のすべり |
Research Abstract |
地球温暖化防止の観点から、エネルギー変換機械であるポンプや水車などの効率上昇が要請され、流体の輸送管路を含めた流体抵抗の低減化が期待されている。流体の抵抗減少効果を用いて流体の損失を低減させる方法としては水溶性高分子や界面活性剤の微量な添加あるいはリブレットなどのように流体と接する壁面のある種の粗さ効果を利用する方法などが考えられる。しかしながら、これらの方法は乱流域における乱れを緩和させることによって得られるものであり、層流域では低減しない。 本研究は従来まったく行なわれていない層流域の抵抗低減を得ることを目的として、その固体境界で流体の滑りを生ずる超はっ水壁を有する正方形管、矩形管や円管の管摩擦損失、回転二重円筒及び容器内回転円板の摩擦抵抗モーメント、円柱の抗力などについて実験を行なったものである。その結果、それぞれの流体抵抗について水道水で約10〜30%の抵抗減少効果が明らかにされた。一般に、物質の分子構造の示す不連続性について言及しない流体力学の視点からこの層流域における抵抗減少効果を考える場合に、流体の固体境界における境界条件に対して滑りの概念を導入する必要がある。本研究においてはナビエ・ストークスの式を用い、流体の滑り速度についてのナビエの仮説を境界条件に導入してこれら流れ場における損失や抵抗を解析している。それら解析結果は実験結果と良く一致することが明らかにされている。
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[Publications] K.Watanabe, Yanuar H.Vdagawa: "Drag Reduction of Newtonian Fluids in a CirCular Pipe with Highly Water-Repellent Wall" Journal of Fluid Mechanics. 381. 225-238 (1999)
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[Publications] S.Ogata and K.Watanabe: "Flow Character i stics of a Vrag Reducing Rotating Disk with Highly Water-Repellent Wall" Proc.of 1999 Joint ASME/JSME Fluids Eng. Conf.99-6936. 1-8 (1999)
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[Publications] K.Watanabe and T.Akino: "Drag Reduction in Laminar Flow between Two Vertical Coaxial Cylinders" Proc.of the ASME Fluids Engineering Division. 98-4908. 1-6 (1998)
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[Publications] 渡辺敬三,宇田川浩史: "超はっ水性円管の非ニュートン流体の流れに関する研究" 日本機械学会第75期通常総会講演会講演論文集. 98-1(III). 19-20 (1998)
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[Publications] 渡辺敬三,秋野岳司: "超はっ水性二重円筒間の非ニュートン流体の流れに関する研究" 日本機械学会第75期通常総会講演会講演論文集. 98-1(III). 21-22 (1998)
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[Publications] 渡辺敬三,藤田貴男: "超はっ水性円柱周りの流れ" 日本機械学会第76期全国大会講演会講演論文集. 98-2. 14-15 (1998)