1998 Fiscal Year Annual Research Report
飛行時間型質量分析装置を用いた原子クラスターの光解離分光
Project/Area Number |
09450085
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丸山 茂夫 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助教授 (90209700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 洋一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60111473)
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Keywords | 質量分析 / 原子クラスター / 光解離 / 飛行時間型 |
Research Abstract |
レーザー蒸発超音速膨張クラスター生成装置を改良し,FT-ICR(フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴)質量分析装置に直接導入することにより,昨年度より大きなシリコンクラスター(具体的にはSi_<10>-Si_<30>)を生成,質量分析を行った.また,炭素と金属原子を含む各種の材料をクラスター生成装置に用いることによって,きわめて特異な金属・炭素混合クラスターを生成させることに成功した.具体的なクラスター生成の条件は,昨年度と同様で固体材料にNd:YAGレーザーの2倍高調波(532nm)を集光することにより材料を蒸発させ,ほぼ同時に短パルスのヘリウムガスを入射することによる.本年度は,ArFエキシマレーザーによる光イオン化を行わないで,Nd:YAGレーザーによってできた残留イオンを検出している点が異なるが,ヘリウムガス入射とレーザー照射のタイミングによって敏感に生成されるクラスターの質量分布が変化することが明らかとなった. これらのクラスター生成条件に関しては,金属内包フラーレンなどの生成機構と関連して極めて興味深く,一連の分子動力学法シミュレーションによって実験との比較を行った.さらに,昨年度の研究の結果でシリコンクラスターの光解離パターンの解明には,非平衡な解離プロセスの検討が必要であることが明らかとなったことから,分子動力学法によるシリコンクラスターの解離のシミュレーションも行い,高温での分子構造変化を解離パターンと関連づける目安がついた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山口康隆: "金属内包フラーレン生成の分子動力学シミュレーション" 日本機械学会論文集(B編). 65-630. 431-436 (1999)
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[Publications] Y.Yamaguchi: "A Moleculur Dynamics Simulation of the Fulleoene Formation Proress" Chem.Phys.Lett.286-3, 4. 336-342 (1998)
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[Publications] S.Maruyama: "FT-ICR Studies of Laser Desorbed Carbon Clusters" 5th ASME-JSME Thermal Eng.Conf.(1990)