1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450111
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
窪野 隆能 静岡大学, 工学部, 教授 (80005470)
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Keywords | 電磁継電器 / リレー / 電気接点 / ロッキング / 転移突起 / 接触面損傷面 / スチッキング / 開離不能 |
Research Abstract |
実用継電器の片持ち張り支持片の先端に搭載した汎用Ag/CdO12wt%電気接点対、比較材料としてのAg/Cd11wt%電気接点対、カドミレスのAg/SnO212wt%電気接点対、比較材料としてのAg/Sn9wt%電気接点対(どの材料の電気接点も接触面の大きさ3.6mmφ)を直流30V-10Aの抵抗性回路内で閉成責務電気接点対(make-only-contacts)として使い、閉成責務動作毎に電気接点間で起こる電気的特性を測定し、さらに陰極面上の転移突起の成長過程を1000動作毎にデジタル写真撮影を行った。 どの電気接点材料においても、数千回の閉成責務動作で出来た転移突起の形状は肉眼で確認できるほどの丘状の大きさに成長する。閉成責務動作回数Opが増すと、細長いラッパ形状で高くなり、1万回以上では動作回数の増加とともに突起の高さHは飽和傾向を示しながら高くなる(ΔH/ΔOpが小さくなる)が、突起の足太さDfはさほど変動しない(ΔDf/ΔOp≒0)。 Ag/CdO12wt%電気接点対では突起高さが0.5mm程度になるとロッキングが起こり、「ロッキングを起こす際の突起形状は、H/Df≧0.6で、かつH/間隙≧0.5ある」と予測できる実験結果を得ている。一方、比較材料のAg/Cd11wt%電気接点対ではロッキングは生じなく、転移突起がH/Df≦0.6であった。Ag/CdO電気接点材料の代替え品として注目を浴びているAg/SnO212wt%電気接点対ではロッキングが生じなかった。その原因として、「撮影写真から転移突起が成長過程で崩壊し接触面上に散らばること、転移突起の崩壊時にはバウンス回数や接触抵抗が急変すること」の結果を得ている。 転移突起を起こさせるスイッチングアークの温度を分光計測で測定し、転移突起の発生メカニズムを解明しつつある。
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[Publications] 窪野隆能、徳永伸一: "Cu電気接点におけるDC50V-10A回路遮断時のアーク温度分光測定" 電気情報通信学会技術研究報告[機構デバイス研究会]EMD98-6. Vol.98,No.52. 1-7 (1998)
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[Publications] 窪野隆能、徳永伸一: "制御継電器の電気接点損傷に関する数値評価研究 その4" 電気情報通信学会技術研究報告[機構デバイス研究会]EMD98-7. Vol.98,No.52. 7-12 (1998)
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[Publications] 窪野隆能、秋山健司: "制御継電器の電気接点損傷に関する数値評価研究 その6" 199年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集(9月21日発表). 162 (1998)
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[Publications] 窪野隆能、宮野竜一: "制御継電器の電気接点損傷に関する数値評価研究 その7" 199年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集(9月21日発表). 163 (1998)
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[Publications] M.TAKEUCHI and T.KUBONO: "An observation of the breaking arc between silver contacts using a high speed color video" The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,Transactions on Electronics. E82-C,No.1. 33-40 (1999)
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[Publications] M.TAKEUCHI and T.KUBONO: "Influence of the shape of silver contacts on the spartial distribution of spectral intensity of a breaking arc" The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,Transactions on Electronics. E82-C,No.1. 41-48 (1999)