2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450111
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Research Institution | SHIZUOKA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
窪野 隆能 静岡大学, 工学部, 教授 (80005470)
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Keywords | 継電器 / リレー / 電気接点 / コンタクト / 転移突起 / 損傷面 / スチッキング / 開離不良 |
Research Abstract |
片もち梁支持片の先端に試料電気接点を取り付けた小型実用継電器において、継電器コイルの励磁をパソコンプログラムで制御して、試料電気接点対を直流30V-10Aの抵抗性回路内で閉成責務動作と開離責務動作をさせた。 責務動作毎に、バウンス回数、閉成時アークの継続時間とエネルギー、接触抵抗、試料継電器3ヶ所の温度、開離時アークの継続時間とエネルギーを自作測定装置で観測し、及び1000動作毎に電気接点間隙をディジタル写真で撮影した。 パラジュウム電気接点対では、閉成責務動作の場合に転移突起が陽極面上に出来ること、開離責務動作の場合にも陽極面上に転移突起が出来ることが明白となった。閉成時アークの継続時間は200μs程度であるが、跳ね返り時のアーク長が極短間隙アークの長さ以上であるため陽極面上に突起でき、開離時アークの継続時間は550μsと長いために、アーク長も長くなり、陽極面上に突起が出来たと判断できる。陰極面上に突起の出来るアーク長をを究明するため、開離時アークを分光計測することで、アーク空間の温度や粒子密度を計測実施中であり、その1部を電子情報通信学会論文誌Eに公表した。 合金電気接点材料の基材である銀を電気接点とすると、パラジュウム電気接点対と実験回路の電気的な条件や継電器の機械的な条件が同じであっても、閉成責務動作の場合に転移突起が陰極面上に出来ること、開離責務動作の場合には大きな転移突起は出来なかったことが分かった。
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[Publications] 窪野隆能: "閉成責務Ag/CdO電気接点における分離不良発生時の転移突起形状に関する一研究"電子情報通信学会論文誌C. Vol.J83-C,No.4. 300-307 (2000)
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[Publications] 窪野隆能,大田原茂: "制御継電器の電気接点損傷に関する数値評価研究(その17)開閉責務動作Pd接点対における転移突起"2000年電子情報通信学会ソサイエティ大会 講演論文集2. C-5-1. 1 (2000)
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[Publications] 渡邊隆志,守永和史,窪野隆能: "制御継電器の電気接点損傷に関する数値評価研究,(その18),Ag/SnO_2電気接点とAg/CdO電気接点の閉成責務動作動作時の比較演"平成12年度電気関係学会東海支部連合大会論文集. 144. 72 (2000)
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[Publications] 窪野隆能,大田原茂: "制御継電器の電気接点損傷に関する数値評価研究,(その19)Pd電気接点対での開離及び閉成責務動作時のバウンス回数比較"平成12年度電気関係学会東海支部連合大会 講演論文集. 145. 73 (2000)
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[Publications] Mitsuru TAKEUCHI,Takayoshi KUBONO: "Spectroscopic Determination of Temperature and Metal-Vapor for Copper Breaking Arc by Using a CCD Color Camera and an Additional Filter"IEICE Trans.Electronics. Vol.E83-C,No.9. 1377-1384 (2000)
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[Publications] 窪野隆能,別宮達二,大田原茂: "制御継電器の電気接点損傷に関する数値評価研究(その20)直流30V-10Aの抵抗性回路内のPd電気接点対での転移突起"電子情報通信学会機構デバイス研究会. EMD2000-70. 13-18 (2000)
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[Publications] 渡邊隆志,守永和史,別宮達二,窪野隆能: "制御継電器の電気接点損傷に関する数値評価研究(その21)電気接点材料の突起形状と電気的特性に及ぼす影響"電子情報通信学会機構デバイス研究会. EMD2000-91. 13-18 (2001)
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[Publications] 窪野隆能,別宮達二: "制御継電器の電気接点損傷に関する数値評価研究(その22)閉成責務及び開離責務Ag接点の損傷程度"平成13年電気学会全国大会 講演論文集,. (2001)
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[Publications] 窪野隆能,渡邊隆志,別宮達二: "制御継電器の電気接点損傷に関する数値評価研究(その23)閉成責務動作Ag接点対における転移突起"2001年電子情報通信学会総合大会 講演論文集. (2001)
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[Publications] 窪野隆能: "閉成責務動作Ag/SnO_212wt%電気接点で陰極面にできる転移突起の変容に関する一観察"電子情報通信学会論文誌C. Vol.J84-C,No.4.(2000年12月に掲載決定(4月号予告)). (2001)