1997 Fiscal Year Annual Research Report
導体内電流分布を制御した高安定超伝導導体の開発研究
Project/Area Number |
09450117
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
三戸 利行 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (10166069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 晃史 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00260050)
柳 長門 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (70230258)
高畑 一也 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (10216773)
山田 修一 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (50249968)
西村 新 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (60156099)
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Keywords | 超伝導 / 撚線 / 安定性 / 電流分流 / 交流損失 / 導体 / 大型超伝導コイル |
Research Abstract |
本研究の目的は、これまでに得られた超伝導撚線の電流分流特性と安定性の研究成果を応用し、超伝導導体内の電流分布を制御した新しい形の高安定な大型超伝導導体の開発を行うことにある。局所的な擾乱に対して十分に安定な導体とするため、素線間の電気的な接触抵抗が小さく、熱的な接触抵抗が大きな撚線構造を実現する。具体的には、NbTiやNb_3Snなどの低温超伝導素線の外側に高温超伝導体をコーティングした超伝導撚線を試作し、素線間の高い電流転流特性と熱絶縁特性を両立させる条件を見出す。本研究では、考えを更に発展させ、導体内の電流分布を積極的に制御したより高安定な導体構造の開発を目指す。すなわち、素線間の転流特性に必要な電流パルスを確保しつつ、交流損失を低減した撚線及び導体構造を開発する。 本年度は、導体設計のための重要な基礎データとなる撚線の安定性及び交流損失に電流分布が及ぼす影響に関して系統的な研究を行った。まず、撚線間の電流分布を制御できる実験装置を工夫し、撚線間の電流分布の不均一が安定性に及ぼす影響について定量的な評価を行った。結果として撚線間の転流特性を転流部での発熱が安定性を悪化させない基準値以上に保てば、偏流が生じても安定性への影響は小さいことが示された。また、素線間の接触抵抗を撚線の張力を制御することによって変化させ、接触抵抗と安定性との関連性について定量的に評価した。 一方、撚線内の電流分流不均一が交流損失増大の原因になることを大型コイルの実験結果から推察し、2本撚線を用いた要素実験によって確認した。この結果は、従来の研究では報告されていない成果であり、安定性と交流損失を両立させた導体設計において重要な発見である。 これらの基礎データを元に、平成10年度は導体の設計及び試作を行い、特性を確認する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 平野直樹: "NbTi/Cu3本撚線の安定性に与える電流分布の影響について" 低温工学. Vol.33. 82-89 (1998)
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[Publications] T.Mito: "AC loss measurements of the experiments on a single inner vertical coil(EXSIV)for the Large Helical Device" to be published on Cryogenics. (1998)
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[Publications] N.Hirano: "Increase of AC losses for the asymmetrically transposed superconducting cable due to the non-uniform current distribution between the strands" Proceedings of MT-15 at Beijing,China,October 20-24,1997. (1998)