1998 Fiscal Year Annual Research Report
界面制御によるシリコン基板上への強誘電体薄膜のヘテロエピタキシャル成長
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09450125
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
堀田 將 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (60199552)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 淳 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (30283154)
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Keywords | シリコン / 強誘電体 / ジルコン酸チタン酸鉛 / イットリア安定化ジルコニア / 反応性スパッタリング / ヘテロエピタキシャル成長 / 強誘電体メモリ / イリジウム |
Research Abstract |
1. PZT/YSZ界面の欠陥低減について PZTの格子定数に近いものを持つIr金属薄膜をYSZ層とPZT薄膜との間に挿入することによって、界面欠陥の低減を図った。その結果、 (1) Ir薄膜は基板温度600℃でYSZ層上にエピタキシャル成長するが、堆積速度が0.42nm/minと遅いと(100)主配向膜となり、1.2nm/minと速いと(111)主配向膜となることがわかった。この(100)主配向膜では、膜厚が17nm程度と薄いにもかかわらず、RBS測定のχminが19%とよく、YSZ層の結晶性を是正するのに有効であった。 (2) エピタキシャル(001)PZT薄膜は(100)主配向あるいは混合配向Ir膜上に基板温度600℃で、エピタキシャル(111)PZT薄膜は(111)主配向Ir膜上に基板温度650℃以上でIr薄膜の結晶情報に従って得られたが、いずれの場合も650℃以上の温度ではIrとPZT薄膜の界面で両者の相互拡散や反応が生じた。 (3) PZT薄膜の配向が(001)に強くなればなるほど、またその結晶性が良くなればなるほど、その残留分極が大きくなり、リーク電流が減少する傾向にあった。特に、(100)主配向Ir薄膜に形成した厚さ200nmのエピタキシャル(001)PZT薄膜は、2Pr=80μC/cm^2の残留分極を持ち、3Vの振幅で十分に飽和した角形の良好なP-E特性を示した。 2. YSZ層の誘電率の向上について YSZ層の誘電率の低下の原因が、YSZ層とSi基板との間に存在する約2.5nmの酸化Si層であることがわかった。この酸化Si層は、厚さ2.3nmのYSZ層が形成されるまでに、堆積中のYSZ層を透過した酸素によりほとんど形成されていた。このことから今後は、YSZ層堆積中のその酸素の量を低減することによって、YSZ層の誘電率を向上させる予定である。
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[Publications] S.Horita, M.Watanabe and A.Masuda: "Structure and Electrical properties of Yttria-Stabilized Zirionia Films with Controlled Ycontent Heteroepitaxially Grown on Si by Reactive Sputtering" Material Science Engineering B.vol.54,No.1-2. 79-83 (1998)
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[Publications] S.Horita, M.Watanabe, S.Umemoto and A.Masuda: "Material Proparties of Heteroepieaxial Yttria-Stabilized Zirionia Films with Controlled Ycontent on Si Prepared by Reactive Sputtering" Vacuum. vol51,No.4. 609-613 (1998)
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[Publications] S.Horita, S.Horii and S.Umemoto: "Material Properties of Heteroepitaxial Ir and Pd(2_<rx> ti_<1-x>)O_3 Films on (100)(3_rO_2)_<1-x>(Y_2O_3)_x/(100)Si Stracture Prepared by Sputtering" Japanese Journal Applied Physics. vol.37,No.9B. 5141-5144 (1998)
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[Publications] S.Horita and S.Horii: "Heteroepitaxial Growth of P2T Films on (100)Ir/(100)YS2/(100)Sr Substrate Structure Prepared by Reactive Sputtering" Materials Research Society Symposium Proceedings Ferroelectric Thin Films VII,発表予定. (1999)
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[Publications] 堀田將、堀井真義: "(100YS3/(100)Sa基板構造上にスパッタ法により形成したヘテロエピタキシャル(100)Ir及び(a01)P2T薄膜の膜質特性" 電子情報通信学会技術研究報告. vol98,No591. 39-46 (1999)