1997 Fiscal Year Annual Research Report
有機量子井戸構造・ナノ構造の電子・光物性と発光表示素子応用に関する研究
Project/Area Number |
09450129
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大森 裕 大阪大学, 工学部, 助教授 (50223970)
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Keywords | 有機薄膜 / 有機量子井戸構造 / 有機ナノ構造 / 色素分子 / 有機分子線蒸着法 / 有機EL素子 / 多色発光素子 / ディスプレー素子 |
Research Abstract |
(I)有機薄膜界面の改善に関する研究 Alq_3/TPDに依り構成される有機発光素子において有機層と陰極、有機層と陽極界面の改善を行うために、酸化アルミニュウム薄膜の挿入効果を検討した。その結果、Mg陰極とAlq_3発光層界面に単分子程度の極薄膜の酸化アルミニュウム(Al_2O_3)薄膜を挿入することにより発光効率の改善が認められ、またITO陽極とTPD正孔輸送界面においても同様に発光効率の改善が認められた。極薄膜の酸化アルニミュウムを挿入することにより電子、正孔の注入効率の改善されることを確認した。 (II)有機カラーディスプレー素子に関する研究 従来のカラーディスプレーに用いられる素子構成はR-G-Bそれぞれの色を発光する素子を独立に駆動し、異なる部分から発光する3色を合成しカラー表示を行われているが、本研究では一つの素子から任意の発光色が得られるものであり、より高解像度が得られることが期待できる。 この素子は2つの部分からなっており、異なる2色を発光する部分(2色発光部)の上に、他のもう1色を発光する部分(単色発光部)が構成されている。2色発光部は印加電圧の極性を変える事により発光色を切り替える素子である。青色の発光を示すPPCPと赤色発光を示すBPPCを組み合わせて青色と赤色を発光する素子構造になっている。さらに、これとは独立に単色発光部のAlq_3から緑色発光が得られ、従って一つの素子から赤、緑、青の3原色が得られる。 この3色発光素子を任意のパルス波形を発生する電源を用いて発光色の組み合せを検討した結果、それぞれの色の発光量子効率が異なるにもかかわらず、パルスの波高値とパルス幅の組み合わせにより、目に感じる色は任意の色の組み合わせが可能となる事が示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Norio Tada: "Nonlinear Emission from 8-hydroxyquinoline Aluminum and Diamine Derivative Superlattice Structure Excited by Third-Harmonic-Generation from Nd : YAG Laser Light" Jpn.J.Appl.Phys.36・4A. L421-L424 (1997)
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[Publications] Yutaka Ohmori: "Enhancement of Electroluminescence Intensity in Poly (3-alkylthiophene) with Different Alkyl-Side-Chain length by Doping of Fluorescent Dye" Polymers for Advanced Technology. Vol.8. 403-407 (1997)
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[Publications] Norio Tada: "Multi-color Organic Electroluminescent Device Utilizing Vapor Deposited Fluorescent Dye Films" IEEE Trans.Electron Device. 44・8. 1234-1238 (1997)
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[Publications] Akihiko Fujii: "Organic Infrared Electroluminescent Diode Utilizing Phthalocyanine Film" IEEE Trans.Electron Device. 44・8. 1204-1207 (1997)
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[Publications] Yutaka Ohmori: "Control of Organic Interface with Silicon Mono-oxide Layer Between 8-hydroxyquinoline Aluminum and Diamine Layers in Organic EL Diode" Jpn.J.Appl.Phys.36・8A. L1022-L1024 (1997)
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[Publications] 大森裕: "有機発光ダイオードの開発動向" 電子情報通信学会誌. 80・12. 1264-1272 (1997)