1998 Fiscal Year Annual Research Report
フォトルミネセンス法によるシリカ薄膜中の欠陥の検出ならびに構造解析
Project/Area Number |
09450132
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大木 義路 早稲田大学, 理工学部, 教授 (70103611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗田 孝之 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90171371)
浜 義昌 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (40063680)
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Keywords | シリカ / シリコン熱酸化膜 / フォトルミネセンス / 点欠陥 / シリコン埋め込み酸化膜 / フッ素添加SiO_2 / シリコン窒化膜 |
Research Abstract |
昨年度までの研究において、強力な紫外ー真空紫外光であるエキシマレーザ光やシンクロトロン放射光を用いることにより、a-SiO_2薄膜からでも充分な強度を有したフォトルミネセンスが得られることが証明され、今まで、有力な評価手段のなかったa-SiO_2薄膜の点欠陥に対する検出手法としてフォトルミネセンス法を確立させることができていた。今年度は、この手法を用いてSIMOX埋め込み酸化膜、フッ素添加SiO_2薄膜やシリコン窒化膜を対象として欠陥の検出と欠陥構造の同定をさらに進めた。また、絶縁破壊測定により、欠陥構造が絶縁破壊強度に与える影響を調査した。 シリコン基板への酸素イオン注入後、高温熱処理により形成されたSIMOX埋め込み酸化膜を試料として、内部酸化効果をフォトルミネセンス法、絶縁破壊測定を用い調べた。フォトルミネセンス測定から、内部酸化によって埋め込み酸化膜の増加した部分の酸素欠乏性は元々あった埋め込み酸化膜とほぼ同じであり、熱酸化膜と比べればはるかに欠乏性が大きいことが分かった。また、自己修復破壊法による絶縁破壊測定によれば、初期の低電界での破壊を生じる回数は内部酸化により著しく減少する。これは内部酸化によりシリコン柱などの弱点部が著しく減少することを示唆しており、実用的見地から内部酸化法は有効であることが分かった。 次にフッ素を添加したSiO_2薄膜をプラズマCVD法により作製し、欠陥構造について調べ、またフッ素添加がSiO_2薄膜の絶縁破壊強度に及ぼす効果について調べた。その結果、フォトルミネセンス測定から、フッ素を添加することで微視的な構造の乱雑さによる歪みが減少し、より均一な構造になることが確かめられ、絶縁破壊強度についてもフッ素無添加のSiO_2薄膜に比べフッ素を最大3.2atomic%含有した試料では、絶縁破壊強度が約2.3MVkm/cm上昇することを明らかにした。 また、LPCVD法により堆積させたシリコン窒化膜に対して、Ar+イオン注入と高温熱アニールが欠陥構造に及ぼす効果を調査した。その結果、イオン注入及び高温熱アニールをシリコン窒化膜に施すと、2.66eV及び2.15eVの発光強度が共に減少することを確認し、高温熱処理による水素の脱離及びイオン注入による結合切断により形成された欠陥が、PL発光強度を減少させる非発光中心として振る舞うことを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Ohki et al.: "Temperature dependence of the lifetime of 4.3eV photoluminescence in oxygen-deficient amorphous SiO_2" Phys.Rev.B. Vol.59 No.3. 1590-1593 (1999)
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[Publications] 大木義路他: "プラズマCVD法による希土類添加シリカ薄膜-成膜法の開発と発光の物性研究への応用" 電学論A. 119-A, No.1. 113-117 (1999)
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[Publications] 大木義路他: "内部酸化がSIMOX埋め込み酸化膜の酸素欠乏性と絶縁破壊電界におよぼす影響" 電学論 118-A. No.7/8. 826-831 (1998)