2000 Fiscal Year Annual Research Report
逆問題解析におけるアプリオリ情報の有効利用に関する研究
Project/Area Number |
09450168
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小杉 幸夫 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 教授 (30108237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 啓輔 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (40242309)
ビチャイ サエチャウ 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 助手 (10235096)
小俣 透 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10262312)
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Keywords | 等価ダイポール推定 / PET画像 / ネットワークインバージョン / 動的正則化 / アプリオリ情報 / インピーダンス・トモグラフィー / 曲面推定 / ステレオ画像 |
Research Abstract |
本年度は先ず、平成9年度より継続してきた逆問題解析における先験的情報の有効活用の研究の最終年度にあたるため、これまでの研究の総括を行う意味で、脳内の神経活動分布を頭部表面電位やPET装置を用いた計測結果から逆推定する種々の方法について、アプリオリ情報の一表現形態である「動的正則化」の手法を適用することで、不適切問題の適切化をはかる方式の効果を評価した。 また、生体内の血流分布や脳脊髄液、腹水、臓器内水分等、種々の水分の分布を一般病室でも適用できる軽微な測定装置で計測する電気インピーダンス・トモグラフィーにおける導電率分布の逆推定問題をとりあげ、特に組織内の電流分布を摺動部無しに連続的に制御することのできる磁気併用型四電極法の計測データについて解析を行った。この場合、少数個の電位計測電極から得られる電位データから、導電率の分布を画像化する問題は、いわゆる不適切化問題を構成する。この逆推定問題の解法について導電率の分布が同一組織内では急激には変化しないというアプリオリ情報を正則化項として加えた動的正則化の手法を適用し、不適切問題の適切化をはかり、その効果を実験的に確認した。 さらに、昨年からの継続研究として、ステレオ画像からの3次元曲面の逆推定問題について、曲面の滑らかさをアプリオリ情報として活用し、かつ、対応点の自動取得能力を有する逐次処理系を構成し、手術時の組織表面形状の逆推定問題に適用し、これからの遠隔手術に必要とされる組織変形の遠隔計測技術としての有効性を示した。また、ステレオ計測から得られる生体組織形状情報の応用例として、MR画像等の断層画像群から再構成される組織表面とのマッチングにより、手術用ナビゲーションの準備動作として位置合わせを行うという実用的な方式についても、基礎的検討を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Kosugi,N.Uemoto,Y.Hayashi,B.He: "Estimation of Intra-Cranial Neural Activities by Means of Regularized Neural-Network-Based Inversion Techniques"Neurological Research. (印刷中). (2001)
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[Publications] 竹前忠,東好宏,小杉幸夫: "磁気併用四電極法による電気インピーダンス・トモグラフィ"医用電子と生体工学. 38・3. 246-249 (2000)
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[Publications] C.Jia,Y.Kosugi.E.Watanabe: "An Optical Navigator for Computer Aided Surgery"Proc.CAS/CADM2000. 第9回. 10-11 (2000)
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[Publications] 武紀之,武者利光,小杉幸夫: "ダイポール推定法を用いた脳内活動部位間の情報の流れの解明"電子情報通信学会技術報告. MBE2000・15. 103-110 (2000)
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[Publications] 宇都有昭,呉鉄城,渡辺英寿,小杉幸夫: "ステレオ脳表面画像に基づく脳3次元形状生成におけるJGN援用遠隔処理システムの活用"日本コンピュータ外科学会大会講演論文集. 第9回. 25-26 (2000)
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[Publications] 坂元光輝,上居原健,小杉幸夫: "都市域を対象とした航空写真によるステレオマッチングの高度化に関する研究"電子情報通信学会技術報告. CS2000・106. 115-120 (2000)