1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09450190
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
江頭 進治 立命館大学, 理工学部, 教授 (00027286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 邦明 鳥取大学, 地域共同研究センター, 助教授 (00263492)
中川 博次 立命館大学, 理工学部, 教授 (60027216)
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Keywords | 土石流 / 土砂流 / 泥流 / 掃流砂流 / 浮游砂流 / 流砂量式 / 構成則 |
Research Abstract |
本研究は,水と砂礫の混合物の流れに関する構成則を確立し,これに基づいて,土石流・掃流砂流の流速分布と濃度分布および浮遊砂基準点濃度について統一的に議論しようとするものである。 前年度に提案された構成則において,粒子径,粒子間摩擦および粒子密度が主要な役割を果たす。このうち,粒子間摩擦係数の流れに対して演ずる役割について理論的に検討を行った。固定床における混合物の流れにおいては,粒子間摩擦係数の増加に伴って,流れの抵抗が増加する。一方,移動床上における流れにおいては,固定床上のものと逆の結果,すなわち,粒子間摩擦係数の増加に伴って,流れの抵抗が減少する結果が得られた。これを検証するために,内部摩擦係数の異なる材料として砂粒子とガラスビーズ粒子を用いて,固定床および移動床上の流れを調べるための水路実験を行い,流速分布と粒子濃度に関する詳細なデータを得た。因みに,内部摩擦係数は,砂粒子よりもガラスビーズ粒子の方が小さい。これらのデータは,先に述べた理論的に得られた結果と同様の傾向を示した。 土石流および土砂流の領域を対象として,砂粒子とビーズ粒子を用いた実験を行い,これらの結果と構成則を適用して求められる流速分布や濃度分布の結果を比較検討することにより,構成則の一般化を図った。それによれば,砂およびガラスといった材料特性の異なる材料によりそれぞれ構成される混合物の流れの諸量を,新しい構成則を用いて概ね説明できることが示唆された。さらに,砂粒子およびビーズ粒子を含む流れおよび流砂量に関する実験データと多くの研究者によって行われた実験データを集め,それらと新しい構成則を適用して求められる掃流砂量式と比較検討した。これによれば,砂粒子ばかりかビーズ粒子を含む流れの流砂量をもかなり適切に評価できることが明らかになった。 新しい構成則に基づき,現在,掃流砂層の粒子濃度の鉛直分布および水流相のレイノルズ応力の鉛直分布に着目し,浮遊砂基準点濃度の予測法について検討を深めている。
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