1998 Fiscal Year Annual Research Report
耐震要素と半剛接合とを併用したロバスト鉄骨架構の地震応答実験
Project/Area Number |
09450200
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大井 謙一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90126003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 昇宰 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (60302634)
嶋脇 與助 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40092233)
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Keywords | 耐震要素 / 履歴型ダンパー / 歪速度 / 動的載荷実験 / 部分構造オンライン地震応答実 / 半剛接 / 実地震応答観測 / 応答低減効果 |
Research Abstract |
本年度は、耐震要素と半剛接合とを併用した鉄骨架構の地震応答性状について、耐震要素として極低降伏点鋼を用いたせん断パネル形式の履歴型ダンパーに着目し、ダンパーが設置された架構全体の地震応答性状に関する実験・観測資料を収集し、履歴型ダンパーによる骨組の地震応答低減効果について実証的に考察した。次に、履歴型ダンパーと半剛接合架構とを組み合わせた鉄骨架構の耐震性能に関して、部分構造オンライン地震応答実験ならびに弾塑性地震応答解析を行い、この種の架構の我が国の地震環境における適用性を検討した。 1. 極低降伏点鋼を用いた履歴型ダンパーの準静的・動的載荷実験では、歪速度による耐力上昇現象を観察し、予想される歪速度の大きさによっては、この効果を適切に考慮する必要があることを指摘した。 2. 履歴型ダンパー付鉄骨架構の地震応答性状については、部分構造オンライン地震応答実験によりその動的挙動を把握した。また、履歴型ダンパーが間柱によって周辺骨組に取付けられる場合は、履歴型ダンパーによる履歴減衰付加効果と間柱による補剛効果との二重の応答低減効果が期待できることが分かった。 3. 履歴型ダンパーを実際の建物模型(東京大学生産技術研究所の千葉実験所内の弱小鉄骨模型模型)に取付け、実地震応答観測に成功した。履歴型ダンパーの履歴挙動をスケルトン・シフト・モデルにより数学的モデル化し地震応答解析を行い、オンライン地震応答実験結果及び地震応答観測結果の予測を試み、実用的に十分な予測精度が得られた。 4. 付半剛接架構の弾塑性地震応答性状を部分構造オンライン地震応答実験によって把握し、柱梁接合部が溶接による剛接されている場合と梁の座屈などの不安定現象による梁材の塑性変形能力をパラメータとした地震応答解析結果との比較・検討より、履歴型ダンパー付半剛接架構の耐震性能においての有用性を確認した。
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[Publications] Kenichi Ohi: "Pseudo-dynamic Tests and Seismic Monitoring of Steel Frames with Hysteretic" Dampers Proceedings of the Second Japan-UK Workshop on Implications of Recent Earthquakes on Seismic Risk. 181-188 (1998)
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[Publications] Z.Fu: "Seismic Behavior of Steel Frames with Semi-rigid Connections and Braces" Proceedings of the Second World Conference on Steel in Construction. 46. Paper No.-217 (1998)
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[Publications] K.Ohi: "Substructuring Pseudo-Dynamic Tests and Seismic Monitoring on Steel Frames Retrofitted by Hysteretic Dampers" Fifth Pacific Structural Steel Conference. 1273-1278 (1998)
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[Publications] 大井謙一: "履歴ダンパー付き鉄骨構造模型のオンライン実験" 第10回日本地震工学シンポジウム論文集. 2. 2517-2522 (1998)
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[Publications] 大井謙一: "履歴ダンパー付き鉄筋構造模型のオンライン実験" 第10回日本地震工学シンポジウム論文集. 2. 2517-2522 (1998)