1998 Fiscal Year Final Research Report Summary
激震時の衝撃荷重を受ける建築鉄骨柱梁溶接接合部の破壊防止設計に関する研究
Project/Area Number |
09450203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Building structures/materials
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中込 忠男 信州大学, 工学部, 教授 (60111671)
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Project Period (FY) |
1997 – 1998
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Keywords | 載荷速度 / 柱梁溶接接合部 / 脆性破壊 / スカラップ工法 / 変形能力 / 材質 / 温度 |
Research Abstract |
本研究は、スカラップ工法による柱梁溶接接合部試験体で漸増振幅の繰返し載荷を動的載荷(20cm/sec)と静的載荷(0.02cm/sec)で行った。載荷速度と試験温度が柱梁溶接接合部の変形能力に与える影響について、フランジの靭性が低い鋼材で検討した。また、試験温度0°Cについては、梁の材質(降伏比と靭性)が異なる2種類の鋼材について検討した。実験をした結果、全試験体とも、フランジの破断により耐力が決定した。破断面の約95%以上が脆性破面であった試験体がほとんどで、動的載荷と静的載荷の試験温度の高い2体の試験体については破断面の約50%が脆性破面であった。 載荷速度と試験温度について以下に示す。試験温度が低下するに従い、延性亀裂の長さは小さくなり、静的載荷と動的載荷ともに柱梁溶接接合部の変形能力は低下する。動的載荷の方が静的載荷より変形能力の大きくなる温度が存在するが、試験温度の低下に伴う変形能力の減少は動的載荷の方が著しい。試験温度-20℃においては動的載荷が静的載荷を下回り低い値を示した。載荷速度が上昇し、試験温度が低下するに従い、降伏荷重が上昇する傾向がある。 梁の力学的性能がことなる3鋼種について、動的載荷と静的載荷を試験温度0℃で実験した結果を以下に示す。降伏比の低い試験体の方が、動的載荷、静的載荷ともに変形能力は大きくなった。スカラップを起点として破壊した動的載荷において、フランジの靭性値が高い試験体の方が靭性値の低い試験体に比べて変形能力は大きくなった。
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[Publications] 中込忠男、的場耕、村井正敏、吉川薫: "載荷速度が柱梁溶接接合部の変形能力に与える影響に関する実験的研究"構造工学論文集、(2000年4月掲載予定). vol.46B. (2000)
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[Publications] 的場耕、中込忠男、村井正敏、吉川薫、曾田和広、白井嘉行、宿野部勇祐: "試験温度と載荷速度が柱梁溶接接合部の変形能力に与える影響に関する実験的研究"日本建築学会大会学術講演梗概集. C-1. 495-496 (1999)